- 橋本 健
- 有限会社環境計画スタジオ一級建築士事務所 代表取締役
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
『目的別収納で、機能的でカッコイイ暮らし』
シニア世代の方のお住まいをリフォームする際に、「使わなくなった部屋が物置になり、どのように活用すればよいか?」というご相談を受けます。私たちは”半分くらいは捨ててもらわないと新たなスペースは生まれませんよ。”’と言いたいのですが、現実はそうもゆきません。住まいには歴史があり、そこで営まれた生活の思い出や記憶が時の流れとともに存在し、いきなりそれを断ち切る。ということに抵抗感のある方は大勢いらっしゃいます。そこでこういうアプローチを考えてみてはいかがでしょう?
とりあえず入れておける空間イコール納戸という考え方もありますが、入れた本人も何をどこに入れたのか覚えていないこともあり、大切な記憶ならなおさら、いつでも取り出して眺めたり手で触れてみたり出来た方がいいのではないですか?また、小さな戸建住宅では納戸はかえって非効率的ですから、目的別収納をとり入れて、必要な場所で取り出しやすくすることを優先しましょう。年に一度、数年に一度催事などで使うものはそういう頻度なのですから、少し離れた場所にまとめてしまってはいかがでしょう。...という具合です。
例えば海外旅行がお好きで、ご夫婦で旅をされる方には、お土産や記念品を飾っておけるディスプレイ棚のようなものを居間に設ける。添付写真-1
自宅で過ごす事が多くなったご主人の為に書斎を設け、ご主人関連のものはそこにまとめる。添付写真-2
加齢とともに高い場所にあるものの出し入れが辛くなったという奥様には、吊り戸棚ではなく、すべて引き出し式の食器収納を設けるといった具合です。添付写真-3
また最近の傾向として、ウォークインクローゼット(WCL)やシューズインクローゼット(SCL)洗面所と収納をミックスさせたユーティリティ(UTL)も注目されています。
その部屋でどのように過ごすのか、どんな動きをするかということを詳細に分析し、それに答えてゆくことで解決できることは数多くあります。収納はものをしまうだけでなく、見せる、隠す、さらには、快適に使うための補助的空間・インテリアの一部として活用できるとイイですね♪
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