トイレの流し水に雨水を利用する住まいを設計しています。いままでに5つの事例があります。いずれも東京都内の住宅で2トンのタンクに雨水を溜めてポンプで1階、2階のトイレに送って流し水や、庭の散水などに利用しています。練馬区の5人家族のKさんの住まいでは2004年の場合、年間で270日、約75%が雨水でトイレを流すことができています。トイレに雨水メーターがあるので、いま流した水が雨水なのか水道水なのか分かるようになっています。子供たちは雨水でトイレを流した朝は、何か気持ちよく1日が過ごせるなんて嬉しいことを言ってくれます。雨の日が少なくて、タンクの雨水が少なくなったときには自動的に水道水が補給されるしくみになっているので、タンクの水がなくなるという心配はありません。ご夫妻は「いままでは雨の日はイヤな日だったけれど、いまは雨の日も、雨が溜まってる、溜まってると思うと嬉しくなるんですよ」とニコニコと話しています。雨水を利用するようになると、雨の日も楽しくなる。太陽を利用すれば、晴れの日が嬉しい、風力を利用すれば、風のある日はいい日に思える。エコロジーには毎日の暮らしを楽しくする効果もあるように思っています。