法人税法違反被告事件、法人税法22条3項1号の「収益に係る売上原価」と費用収益対応原則、租税判 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:民事家事・生活トラブル

村田 英幸
村田 英幸
(弁護士)
鈴木 祥平
(弁護士)
東郷 弘純
(弁護士)

閲覧数順 2016年12月05日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

 法人税法違反被告事件、法人税法22条3項1号の「収益に係る売上原価」と費用収益対応原則、租税判

- good

  1. 暮らしと法律
  2. 民事家事・生活トラブル
  3. 民事家事・生活トラブル全般
相続

法人税法違反被告事件、法人税法22条3項1号の「収益に係る売上原価」と費用収益対応原則、租税判例百選60事件

平成161029 最高裁第2小法廷 判決

破棄差戻し 刑集 第587697

【判示事項】

被告会社が土地を造成し宅地として販売するに当たり地方公共団体から都市計画法上の同意権を背景として開発区域外の排水路の改修工事を行うよう指導された場合においてその費用の見積金額を法人税法22条3項1号にいう「当該事業年度の収益に係る売上原価」の額として損金の額に算入することができるとされた事例

【裁判要旨】

被告会社が,A市内の土地を造成し宅地として販売するに当たり,A市から都市計画法上の同意権を背景として開発区域外の排水路の改修工事を行うよう指導された場合において,事実上その費用を支出せざるを得ない立場に置かれていたこと,同工事を請け負わせる建設会社に被告会社が支出すべき費用の額を見積もらせるなど,上記土地の販売に係る収益の額を益金の額に算入した事業年度の終了時点において既にその支出を見込んでいたことなど判示の事実関係の下では,上記の見積金額は,当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が確定していないときであっても,法人税法22条3項1号にいう「当該事業年度の収益に係る売上原価」の額として当該事業年度の損金の額に算入することができる。

【参照法条】

法人税法223項,法人税法(平成10年法律第24号による改正前のもの)159条,法人税法1641

【解説】

法人税法22条3項1号では「当該事業年度の収益に係る売上原価」とされ、費用収益対応原則が採用されている。

法人税法22条3項2号では、「債務の確定」という文言があり、債務確定基準が採用されている。これは、同条項号の対象である販売費等が個別の収益と対応させることが困難であり、販売費等については、費用の見積もり計上・引当金の設定が企業会計上許されないからである。

しかし、同条項1号では、同様の文言が使われていない。

したがって、同条項1号は、適正な期間損益原則を確保する立法趣旨である。