- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
|Step1-事例 (case)
「あなたが作ってくれた名簿の○○さんの電話番号、失礼ですが間違っていませんか?」と連絡がありました。何度かけてもつながらないそうです。名簿の電話番号を確かめてみると、その電話番号の持ち主の○○さんの名刺に記載されている電話番号と同じです。その名刺は連絡をしてきた人も持っているはずなので、複雑な気持ちです。
|Step2-理想 (goal)
その連絡をしてきた人のゴールは○○さんに電話で話をすることです。さらにどうしても連絡を取る必要があるなら、電話でなくても、連絡が取れる方法が分かれば、それもその人のゴールです。
○○さんの連絡先を確認するのに一番確実で早いのは、名簿を作成した私であり、また、その前後の状況からも判断すると、私に確認するのが最善の策であることは分かります。
ここにコミュニケーションのポイントがあります。それを達成するために、人に関わる必要があるなら、互いの気分や感情の状態もゴールに入れることで、将来にわたって、もっとより良い多くのことを実現できる可能性が増えます。
つまり、この場合の達成すべきゴールは2つあります。人に関わる必要がある時、互いにどんな反応の状態を実現したいのか、ということと、連絡先が分かること、です。
反応の状態が「互い」とする理由は、コミュニケーションはどんな状況であろうと、相互の反応だからです。
またこの二つのゴールは関連しあいます。互いに気分が良ければ、他にもっといい方法を探すために協力しあえる可能性が増えます。
|Step3-方法 (way)
では、どうすればいいのでしょうか。連絡をしてきた人は最初から「失礼ですが」と言っています。失礼なことをある程度分かっていて、わざわざ言うのですから、きっと他の言い方の方法が分からなかったのでしょう。
それにしても、「最初から間違ってる、って思うなんて失礼ね」と軽く思ってしまいます。
「間違っていませんか」と言う代わりに「他の連絡先知りませんか」と言ってくれれば、良いのです。電話が何度かけてもつながらない、ということが分かれば、私が自分自身で、名簿作成の際に間違えたかもしれない、ということくらいは考えます。
連絡してきた人が「電話番号を間違えていませんか」という言い方になったのは、こういう考えになっている可能性があります。「電話がつながらない=何かが間違いだ」、つまり電話は必ずつながるはずだ、だからつながらないのは何かが間違っているのだ、というようなことです。そうすると誰かのせいにする必要が出てきます。
人間関係は、常に不測の状況が起こりえます。だから誰も間違いではないのです。
こういう場合は、こう考えてみたらいいのです。
電話がつながらない=自分が予測をしない出来事が起こっている
こう考えることが出来たら、名簿作成者に確かめるときに、「この番号ではつながらないのだけど、何の番号?」とか「他に番号知ってる?」とか「どうやったら連絡がとれる?」とか「どうやって連絡とったの?」ということになるはずなんですけどね。
|Step4-活用 (apllcation)
この方法は、こういう時にさらに有効です。「いいお店があるから」と連れて行ってもらった時に、その店が休みだったり貸し切りだったりと、入れない時のことを考えてみましょう。「いいお店があるから」と言った人は、きっと良い気分にはならないでしょう。
そんな時「他に知ってる?」と聞いてあげればいいんです。万が一、相手を陥れることが目的なら、「お前がしっかりしてへんからや」とか「予約しないお前が悪い」と攻め立てるチャンスになります。これで、ほとんどの人は、気分を悪くすることが出来るでしょう。記憶は消せませんから、将来にわたって、気分を悪くし続けることも可能です。将来にわたってどういう関係でありたいのか、それを考えるためのほんの少しの時間をかけることは、より価値のあることです。
|コンパス-(名言)
いろいろ考えられる選択肢の中から、「この一手」を選ぶのは自分しかいないわけです。
羽生善治
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