- 酒井 哲
- TownFactory一級建築士事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:リフォーム・増改築
- 木下 泰徳
- (アップライフデザイナー)
- 溝部 公寛
- (建築家)
骨董商の客さんから譲ってもらった、大正ロマンなカンテラ。
昭和31年の製造とありますが、デザインとしてはアールデコを彷彿させます。
ボンネットの星型のギザギザが実に美しい。
真鍮製でずっしり重く、ネジのフィット感も絶妙でした。
怪しげなモノを持ち込んだと、相方が査定しているようですが、
恐らくホワイトガス等と入れれば今でもランプとして機能すると思われる……
ということで、災害時のランプとしての役割を担わせることになりました(大丈夫かな??)。
この手もモノは何処に置くのか居場所を決めるのに一苦労ですが
幸いうちのマンションには改修時に露わになったコンクリートの梁に
木レンガが埋め込まれているので、そこに吊るすことで落ち着きました。
キッチンのコラベルタイルとのコラボレーションも大正ロマンな感じで絶妙です。
このランプの由来を少々説明しますと、
どうも本多式簡易瓦斯検定器(ウルフ安全灯)という炭鉱用のカンテラで
鉱山用の可燃性ガスや窒息性ガスを検査するランプだったようです。
1883年にドイツ人ウルフにより揮発油安全灯が発明されたことから
ウルフ安全灯と言われるようです。
ちなみに「木レンガ」とは、コンクリート梁や壁に下地を取り付けるために
埋め込まれた楔形の木片のことで、1980年頃までに建てられた鉄筋コンクリートには
一般的な手法でした。現在は木に変わって軽量鉄骨が下地に使われています。
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