- 村田 英幸
- 村田法律事務所 弁護士
- 東京都
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
環境法 第2版/弘文堂 弘文堂、2013年、本文600頁。 環境法の最新テキストである。初版が2011年刊行である。第2版では、その後の法改正が追加されているが、法改正前の部分が現在形の記述となっており、継ぎ足しで書かれたと思われる部分と矛盾がみられる。 また、本文で説明されていない事項が図表の中でしか記載されていないことも多いので、要注意である。 今日までに、上記書籍のうち、以下の部分を読みました。 「第13章 土壌汚染対策法」 土壌汚染対策法の土地所有者等の汚染除去等の義務が無過失責任であることが厳格にすぎると主張しているが、本法のモデルになったアメリカのスーパーファンド法への言及がない。 不動産登記簿で調べても土地所有者が判明せず、命令を下せないとの記述があるが、行政法の一般原則として、命令の名宛人は登記簿上の所有者に対して下せばよいであろう。ただし、例外的に、土地登記簿上の取引行為につき課税処分の重大性のみ(処分の明白かつ重大性を要件とせずに)を理由として、処分を無効とした最高裁判決がある。 「第14章 廃棄物の処理及び清掃に関する法律」 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の前身は清掃法である。 なお、同法は、産廃法と略されることもあるが、一般廃棄物に関する規定も含んでいるので、正確な略称ではない。通常の略称は、廃掃法である。 原則規定は、一般廃棄物の箇所にあり、産業廃棄物に準用されているので、この法律を読むときは注意が必要である。 廃棄物には、以下の6種類がある。 一般廃棄物、 特別管理一般廃棄物(例えば、廃パソコン、自動二輪車など)、 産業廃棄物、 特別管理産業廃棄物、 事業系一般廃棄物、 事業系特別管理廃棄物 上記のうち、特別管理に該当するのは、爆発性、毒性、感染性がある場合である。 なお、建設残土、気体状物質、放射性物質については、別の法律が適用される。 一般廃棄物の処理責任は市町村(東京都の場合には特別区)にあり、産業廃棄物と異なる。 産業廃棄物処理業の許可は、収集・運搬や産業廃棄物処理施設を保有していることが前提となっているので、対人許可+対物許可である。警察許可と考えるべきとされる。 産業廃棄物処理施設は、基準を守っていることが前提とされているが、現実には種々の弊害(例えば、施設から有毒な水・物質が浸出したことなど)が生じたことから、効果裁量と考えるべきとされる。
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北村喜宣『環境法』