ケンタッキー・フライド・チキンという商標権について - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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ケンタッキー・フライド・チキンという商標権について

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ケンタッキー・フライド・チキンという商標権について

考えてみると、ケンタッキー・フライド・チキンのうち、フライド・チキンは商品の製品の調理法・製法もしくは商品そのもの指す、ありふれた普通名称である。商標法3条1項1号、2号、3号に該当し、登録拒絶事由である。例えば、フライド・ポテトについては独占権がないことは異論がない。

ケンタッキーについては、創業者の出身地ないし、アメリカ合衆国ケンタッキー州風味のフライド・チキンであると理解できる。商標法3条1項3号により、産地等については登録拒絶事由である(ワイキキ事件、ジョージア事件)。

 また、ケンタッキー・フライド・チキンは、KFCという略称を用いているが、英語のアルファベット3文字の組合せでは、識別性がないので、登録拒絶事由である(商標法3条1項5号)。

カーネル・サンダースの肖像を含む人形は著名である。この人名は、同社の創業者として、著名である。

そうすると、上記の個々のものは、単独では、識別性がないと思われるが、多方面にわたる多額の広告宣伝により、特別な識別性を有すると考えられる(商標法3条2項)。

(商標登録の要件)

第3条  自己の業務に係る商品・役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる。

  その商品・役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

  その商品・役務について慣用されている商標

  その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。)、価格・生産・使用の方法・時期又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格・提供の方法・時期を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

  ありふれた氏・名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標

  極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標

  前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができない商標

  前項第3号から第5号までに該当する商標であっても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。