- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
まず第一回目の今回は、木造の強さの秘訣についてです。
今までのコラムでもご紹介して参りました通り、ティンバーフレームは、8寸角の柱と梁で構成する、頑丈な造りですが、何度も書きましたが、全ての柱が8寸というわけではなく、要所要所が8寸という意味です。
写真は、ティンバーフレームと合わせて使う、桧の3.5角の柱を加工中しているところです。
そしてアップの方が、梁に差し込まれるホゾという部分。
そう、長いです。
私は、木造で一番大事なことは、この長いホゾが全てと言っても過言では無いと思っています。
現在二本の木造建築の9割を占めるプレカットという機械加工。
プレカットでは、このホゾは約6〜7cm。
短すぎです。
だから金物でがっちり固定しなければ立っていられないんです。
「木造住宅は何百年も建ってる神社があるんだから長持ち」
「木造住宅は揺れて地震を減衰させる力がある」
これは、ホゾが長くて始めて正しい意見と言える事、そう私は確信しています。
それが「木を組む」と言うことだと思うんです。
もちろん、「木を組む」と言うことは奥が深く、もっともっと複雑な仕口や架構も沢山ありますが、少なくともこのホゾが長いと言うことが、木造住宅を頑丈に建てるには、重要なことだと思います。
※なお、ティンバーフレーム工法の家については、こちらもご覧下さい。