- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
本磨きにした方が見た目が美しいからだが、それを床に使うと滑って危険だし、柔らかく磨耗し易いので、床にはあまり使われない。
しかし、西欧では普通に床石として用いられている。
角のすり減った石畳や階段を歩くと、数百年前の足音が聞こえてくる。
家の中央を「通り庭」が貫くこの家では、磨いていないトラバーチンの乱形石、則ち、安いクズ石を貼って目地を黒くし、独特の雰囲気を出している。
石が磨り減って丸みを帯びてくるまで、長く慈しんでもらいたいものである。