応用美術 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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閲覧数順 2017年02月22日更新

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・応用美術 

定義

美術の著作物とは、美術の範囲に属する思想又は感情を創作的に表現したもの(著作権法2条1項1号)である。

美術の著作物(著作権法10条1項4号)として、絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物が例示されている。

美術の著作物」には、美術工芸品を含むものとする(著作権法2条2項)。

純粋美術とは「思想または感情が表現されていて、それ自体の観賞を目的とし、実用性を有しないもの」

応用美術とは「実用品に美術あるいは美術上の感覚・技法を応用したもの」である。

応用美術を意匠法ではなく著作権法で保護する場合、両法律を対比すると、

著作権法

創作と同時に著作権法で保護され、登録手続や登録料が不要、保護期間が著作者の死後50年間まで存続

意匠法

産業上の利用を目的とする図案・デザインが対象である。それ自体が美的観賞されることを目的としていない。

登録手続によって保護され、登録料が必要である。保護期間は設定登録から15年間。

裁判例の基準

裁判例の多くは「純粋美術と同視できるもの」について、美術の著作物として保護されると判示している。または、「高度の美術性・芸術性を有するもの」であることが必要であるとする裁判例もある。

なお、学説では、製作者の主観として観賞目的かどうかを考慮する加戸守行『著作権法逐条講義(5訂新版)』66頁もあるが、製作者の主観は外部から認識できず、基準として不適当であると批判されている(作花文雄『詳解著作権法(第2版)』)47頁、田村善之『著作権法(第2版)』(2001年)33頁)。

応用美術に関する裁判例

天正菱大判事件(否定)

博多人形赤とんぼ事件(肯定)

仏壇彫刻事件(肯定)、著作権判例百選16事件。高度の芸術性が美術の著作物の根拠とされている。

Tシャツ事件(肯定)

商業広告事件(肯定)

佐賀錦袋帯事件(否定)

ニーチェア事件(否定)

木目化粧紙事件(否定)

装飾街路灯事件(否定)

ファービー人形事件(否定)、著作権判例百選15事件。判旨は電子玩具としての実用性・機能性保持のため美観をそぐ側面があり、また、かわいらしさ・親近感を感じさせるのはペットと同じような電子玩具としての反応や機能であって美的感覚とは異なることを指摘している。なお、ファービー人形は映画「グレムリン」の「ギズモ」にも類似していることが指摘されている。なお、現在では、商品形態は不正競争防止法により保護が可能である。

便箋絵柄事件(肯定)

チョコエッグ・フィギア事件(江戸時代の文献の妖怪を立体化・彩色した妖怪フィギアについて創作性を肯定し美術の著作物性を肯定、動物フィギアと「不思議の国アリス」の挿絵に使用されたものを立体化・彩色したアリス・フィギアについては否定)、著作権判例百選17事件

設計図 

著作権判例百選9事件

 スモーキングスタンド事件は、スモーキングスタンドの設計図について、大量生産される実用品であることを理由に、著作物性を認めなかった。