- 藍原 節文
- 株式会社ファースト・シンボリー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
- 荒井 信雄
- (起業コンサルタント)
実際に成功している新聞折込チラシのポイントは以下になります。
1.新聞折込チラシを入れる目的・目標が明確である
2.新聞折込チラシを入れる際の事前マーケティングができている
3.他社の新聞折込を研究し、自社のチラシの差別化がなされている
4.常に効果測定を実施し、折込エリア・掲載内容・特典を変化させている
5.「売り」を強めるチラシと、「認知」を促進するチラシに分類する
今回は上記5について考察を加えていきます。
5.「売り」を強めるチラシと、「認知」を促進するチラシに分類する
について
この考え方に関しては、解釈が分かれる部分であると思われますが、敢えて
新聞折込チラシの効果を最大化させるために、項目化しました。
詳細に説明していきますと、
「売り」を強めるチラシ=直接的な販促効果を上げる(売上UP)ためのチラシ
「認知」を促進するチラシ=ブランディング効果を高めるためのチラシ
という説明ができるかと思います。
■「売り」を強めるチラシに関して
例えば、皆さん、日用品以外の新聞折込チラシを想像してみてください。毎週
のように新聞折込チラシが入っていて、そのチラシが毎回のように格安を謳って
いるチラシだったら、どのように感じますか?
・最初の数回
安売りをしているようなので、ちょっとのぞいてみようかしら
・回数を重ねると
毎回同じようなセールをやっているのね。集客できていないのかしら
・さらに重ねると
見ないチラシとして捨てられる
このような感じでしょうか。
上記の例は極端かもしれませんが、毎回同じように「売り」が強い新聞折込チラシ
を入れることにより、それが当たり前、自然になってきますので、その効果は次
第に縮小され、最後には効果がなくなってしまいます。ですので、新聞折込チラシ
の効果を上げるためには、数回に1回のペースで、「売り」を強める必要性があり
ます。
■「認知」を促進するチラシに関して
これは、上記のような「売り」の強い新聞折込を入れた際の効果を最大限に上げる
効果と共に、毎回継続的に、かつシリーズ化して販促展開することで、その効果を
長期的にアップさせる効果が期待できます。
例えば、これは一つの成功事例ですが、以前、ある携帯電話の併売店で新聞
折込チラシを作成していたのですが、そのときの戦略としては、毎回、シリーズ化
して掲載する内容を決めて、月に2回、折込チラシを入れ続けました。
その掲載内容は
・あなたの撮った携帯ベストショット
・携帯何でもQ&A
・地域の面白情報
・主婦の生活マル得情報
などで、必ずシリーズ化して、連載していきました。そうすることで、次第に
次の回も見るようになり、お店の認知が上がっていきました。
そして数回に1回は、売り出しメインの新聞折込チラシを入れるようにしました。
そうしたところ、「売り」強い広告を入れた週末の販売台数は、通常の2倍以上
になりました。
そしてこれを繰り返すことで、店舗認知が上がり、日々の販売台数も増加して、
売りの強いチラシを入れなくても、普通のチラシを入れるだけで、販売台数が
増えてくるようになりました。そうすると、無駄な割引をしなくても携帯電話
が売れるようになりますので、結果、利益が増大しました。
以上のように、新聞折込チラシは、使い方によって売上効果、利益効果の高い
販売促進手法になるのです。ただし、そこには数字的な根拠や、綿密な戦略の
落とし込みが必要であり、昔のように数打ちゃ当たる的な発想では無駄に販促
費を使うことになってしまいます。ですので、しっかりと計画をたて、効果
測定を実施しながら、あるべき姿の新聞折込チラシ販促を実施していく必要性
があるのです。