これまで、ヤフーの出店者数が約2万店、楽天市場は約4万店と言われていましたから、一日で1.5倍も増えたことになります。その後も出店希望者は増え続けていて、既に2万6千件の申し込みに達しているようです。これらは、既にネット販売を行っている業者の人たちの申し込みです。
この他に、新たに個人でネット販売を開業しようとする人も、1万6千件申し込みがあると言いますから、無料化は大変な反響を呼んだことになります。孫正義会長は、過去にインタネットの導入期だった2001年、ネット接続のプロバイダー ヤフーBBで無料化戦略を駆使したことがあります。
今回の無料化が成功するか失敗するか、決め手はお客さんがどのサイトで買い物をするか、そこに勝負はかかっています。いくらヤフーが無料化しても、お客さんが買い物を楽天市場でするなら、ネット販売業者は費用がかかっても、楽天に出店を続けます。出店料が無料でも、売れないヤフーは魅力がありません。
ただ、起業を目指す人の場合、まず会社勤めをしながらでも無料で出店できるヤフーは魅力です。ネットビジネスを運営することで、スキルを磨くことができます。ネット販売を通じ、ビジネス感覚を養うこともできます。その上で、楽天の方が売れるようなら、ヤフーと同時に楽天でも出店することです。
起業する場合、自分のビジネススタイルを固定的に考えず、あらゆる可能性を試してみることです。一度開業したならば、新たな試みを行うことは難しいですから、準備段階で可能性を探ってください。その意味で、ヤフーショッピングサイトの無料化は、嬉しい試みのステージになりそうです。
【一言】
ビジネスは面白いもので、無料なら誰もが飛びつくかと言うと、素人のお客さんなら直ぐ飛びつくけど、プロの経営者はほとんど無料に飛びつきません。何故なら、経営者なら何故無料なのか考えるからです。無料にできる合理的な理由がなければ、ほぼ無料には手を出しません。「タダほど高いものはない」と言いますが、無料で手に入れたものはトラブルも多く、ビジネスの世界では危険です。
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