- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
ずい分以前のことですが、「水色は涙色」で始まる歌謡曲が流行りました。私はそれを聞いたとき、水色と涙をくっつけるという大胆な発想に感心しました。
うちの家は、かつて風呂屋をしておりまして、風呂場のタイルは水色でした。私にとって「水色」は風呂場のタイルの色です。ちなみに、涙の色は透明で色は特にはありません。単に色の名前として水色はどんな色かは知っています。それが風呂場のタイルの色と同じ色です。その水色のタイルが貼られた湯船には、透明の湯が入っています。水であろうと湯であろうと、H2O の色は、私の認識は透明です。ただし、H20 が相当多い集合体となったとき、例えば湖、海、空、などのときは、光の色のうち青色を反射するために、青く見える、ということも同時に認識しています。
しかし湖の水や、海の水を手に掬うと、水の色は透明です。空の一部である目の前の空気は透明です。ですから、もうちょっと具体的に私の認識を説明すると、私が身近で経験できる水の色についての私の認識は透明です。
私以外の人が、水の色を、水色という色だと認識していることについては、なんら異論はありません。モネやゴッホやセザンヌが水を青色や水色に描こうとも、それはそれで素敵なことです。私も風景画を描こうとしたら、色で水を表現するには、どちらと言うと、青系統の色で描くでしょう。しかし、私にとって身近な水の色は透明なのです。
ですから、涙まで水色にしてしまう発想に感心したわけです。
仮に水色は悲しみの涙の色と思っている人と、水色は風呂屋の風呂場の色と思っている私が、同時に下を向いて、ため息混じりに「水色ね~↓」と言ったとします。
2人の頭の中の映像をもし映し出すことが出来たとしたら、全く違う映像が映っていることでしょう。水色は悲しみの涙の色と思っている人は、去っていく恋人の後ろ姿を思い浮かべているのかもしれません。私は、湯気の中で鼻歌を歌っている裸の人の姿を思い浮かべて、ため息をついていたりします。同じ水色というキーワードで、それを聞いた人の態度が同じであったとしても、頭の中のイメージは全く異なります。これは、同じような状況や場面を思い出していたとしても、完全に一致することはないと私は考えています。
全ての人は、顔が異なるように、頭の中も個性があります。つまり考え方は全ての人が異なるということです。
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