- 松岡 在丸
- 松岡在丸とハウジング・ワールド
- 東京都
- 建築プロデューサー
対象:住宅設計・構造
合理的、効率的なものが好まれるようになってからの日本の家づくりは、オリジナリティーや意匠的な美しさが欠け、「工学デザイン」という観点からのシンプルな「美」という概念がもてはやされるようになりました。
海外からの輸入住宅を好む方々の多くは、日本の住宅には無いデザインセンスに魅せられることが多いのですが、外国の家づくりのデザインが素敵と思えるのは、なぜでしょうか。
デザインというのは特に日本人の通念からは離れてしまっているような気がします。
インテリアにこだわるよりも、低コストで高機能にこだわるという家づくりが主流になっており、美しさや芸術性にこだわる人の方が少なくなっています。
それは単に費用だけの問題ではありません。
日本人の生活が、仕事や子育て、そして衣食住を支えるための経済的な安定を確立しようと精神的に追われているがゆえに、心のゆとりを失い、美しい芸術を楽しむ時間を割くことができなくなっているということです。
ところが、モデルルームなどに行って、例えば吹き抜けにある階段の手すりの形状が北欧の素敵なデザインだったりするのを目にし、「やっぱり海外のデザインは素敵」と思い、あこがれの気持ちがよみがえってくるわけです。
ゆとりこそ、芸術性が高まる要素。遊びや余裕が、美しさの源となりうるわけですね。
ですから、本当に素敵な家づくりをしたいと思ったら、まずは「効率的」という概念を一度捨てましょう。
美しいものをたくさん見て、感性を養いましょう。
インテリアデザイン雑誌や歴史的な建造物、海外旅行で見る建物を目にするときに、そのような美的感覚を培いましょう。
自分の感性が研ぎ澄まされていくことによって、効率を求めるだけでは決してイメージできないような優雅な空間を作り出すことが出来るようになるからです。
せっかく家を建てるのですから、他の人が「中古でも買いたい」と思えるような美しい家を建てましょう。
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