採用内定の取消 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年06月26日更新

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採用内定の取消

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採用内定の取消

 

1、採用内定の法的性質

使用者に対する私企業に対する就職が内定した場合、始期付き解約権留保付き労働契約が成立するとするのが判例である( 最大判昭和481212、 最判昭和54・7・20など)。

始期とは、就労開始の期限という意味である。

解約権留保というのは、採用選考時に判明していなかった事実が入社前に判明した場合には、内定・労働契約を取消すという意味である。最高裁判例は「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるものに限られる」と判示している。

なお、新卒者であれば、学校の卒業が条件とみることもできるし、解約権の内容とみることもできる。

 

2、解約権の内容

採用内定当時判明していた事実、「悪い噂」程度では、解約権の理由にならない。

会社の経営状態の悪化については、裁判例はわかれているが、採用内定後に判明した場合に限られるとする見解が有力である。もっとも、整理解雇の基準として、解雇回避努力の1つとして、新規採用の抑制・停止が挙げられているから、既存の正社員を整理解雇する場合よりは、基準が緩和されるのではないかと思われる。

入社前研修について、裁判例はわかれるが、私見としては、入社前研修段階で判明した勤務成績や能力不足を理由とする解約権の行使は、正社員の場合よりはゆるやかに判断されると思われる。

 

3、内定を取消された者が使用者に請求できる損害賠償など

(1)従業員としての地位確認

(2)賃金請求。ただし、入社から定年までの生涯賃金を請求することは認められないであろう。

(3)債務不履行または不法行為に基づく損害賠償請求。逸失利益(履行利益)として傷害賃金を請求できないであろう。内定が取消されたために就職が遅れた期間の賃金、他社への就職費用(信頼利益)などと思われる。慰謝料については、請求が認容されるかは、賃金相当額が認められた場合には、微妙であろう。

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