- 福本 陽一
- 住宅設備専門店 愛住まいる 取締役 水まわり設備アドバイザー
- 群馬県
- 住宅設備コーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
システムキッチン選びに於いて、こだわりたい部材の一つが「レンジフード(換気扇)」です。
レンジフードは、選ぶ機種によってお掃除のしやすさが大きく変わってきます。また、最近ではオシャレなレンジフードも多く発売されているので、後で後悔しないようにしっかり選ぶことをお勧めします。
また、各システムキッチンメーカーが独自の機能を持たせて差別化を図っている部分でもあるので、メーカーごとの特長とあわせてご紹介していきます。
まずはレンジフードに関する用語を解説します。
さて、レンジフード選びで最初に疑問に思うのは、「プロペラファン」と「シロッコファン」の違いだと思います。
■プロペラファン
プロペラファンとは、扇風機の羽根ような形状のファンを採用しているタイプで、取り付けるためには換気扇が外壁に接していることが条件となります。
安価に導入できるのが特長です。
比較的多くのキッチンで標準仕様となっています。
■シロッコファン
シロッコファンは、ドラム型のファンが遠心力で排気を行うタイプで、ダクトを通して排気を行う場合は、こちらを選択します。
各キッチンメーカーにて、オプションとして選べるレンジフードの多くがこのシロッコファンで、色々な形のものが用意されています。
【関連用語解説】
■コンロ連動機能
レンジフードのコンロ連動機能とは、IHヒーターや、ガスコンロのスイッチを入れると、連動してレンジフードが自動で動き出す機能です。
ここで注意したいのは、連動機能付のコンロとレンジフードであっても、別々に購入すると連動しなくなってしまう可能性がある。ということです。
連動機能付きの機種を購入する時には、かならず同じキッチンメーカーから購入するようにしましょう。
■同時給排気
高気密住宅に対応した機能。
排気に必要な空気を外気から取り入れながら換気する、高性能レンジフードです。
【各システムキッチンメーカーの代表的なレンジフード】
■TOTO「ゼロフィルターフード」
その名の通り、フィルターの無いフードなので、めんどうなフィルター掃除から解放されます。
ファン遠心力で排気中の油分を分離し、油分はオイルパックに溜まる仕組みです。
普段の掃除は、整流板を拭くだけと、とても手軽です。
■TOTO「エアカーテンフード」
フード側面から風を発生させ、周囲に空気の壁(エアカーテン)を形成。
室内の風の影響を受けにくいので、調理のに臭いが広がらず、リビングの快適さを守ります。
■LIXIL「ラクリーンフード」
こちらも、フィルターレスのレンジフード。
フィルターが無いので、目詰まりが無く、吸気力も衰えません。
また、業界トップレベルの静音設計(36dB)も魅力です。
■ヤマハリビングテック「サイクロンフードⅢ」
上昇した煙が、ファンの吸い込みと案内板の曲面形状によって水平の渦巻き状態に。
まわりの煙も巻き込みながら、フィルターを通してスムースに排出します。
2枚の小型フィルターは、取り外しも簡単で親水性塗装なので、ぬるま湯に浸けるだけで汚れが浮き上がります。
余談となりますが、多くのキッチンメーカーが共通のレンジフードメーカーから
レンジフードを仕入れているのに対し、YAMAHAは独自にレンジフードを作っているらしいです。
東日本大震災直後に、レンジフードメーカーが打撃を受け、各キッチンメーカーでレンジフードの出荷が止まってしまった時に、YAMAHAの出荷再開は非常に早かったと記憶しております。
あのような震災は二度と起きて欲しくはありませんが、レンジフードの生産元が分散されるのは良いことだと思います。
■クリナップ「洗エールレンジフード」
クリナップの洗エールレンジフードはかなり風変りなレンジフードで、フィルターの「自動洗浄ユニット」が搭載されています。
回転式フィルターをお湯で浸け置き洗いし、ノズルからお湯を噴射して衝突と遠心力で汚れを除去し、排水は排水トレイに溜まります。
約月1回の自動洗浄を行い、10年間フィルターを取り外さずに掃除ができます。
■パナソニック「エコナビ搭載レンジフード」
調理センサーでコンロ上の温度を検知し、調理に合わせて自動で換気風量を切り替えて省エネ運転を実現しました。
さらに、エコナビ搭載IHヒーターとの組合せなら「おまかせ自動運転」機能が使用できます。
調理メニューや火力信号が、レンジフードの「調理センサー」をアシストし、風量をよりきめこまかく調整。
手動操作運転に比べて電気代を約55%、従来品に比べて約82%削減します。
また、レンジフードの操作は不要です。
■富士工業「イーノイーノ」
レンジフードメーカー富士工業の「イーノイーノシリーズ」は、キッチンのコンロの真上に設置するフードではありません。
リビングやダイニングのテーブルの上に設置する「換気ライト」という商品で、その名の通り、換気扇と照明が一体化しています。
ダイニングテーブルで焼き肉や、鍋を頻繁に行うご家庭にはオススメの商品です。
焼き肉の煙などを、テーブル真上でキャッチするため、リビング・ダイニングのにおいの拡がりを防ぎます。
いかがでしたでしょうか?
一言にレンジフードと言っても、各キッチンメーカーが様々な個性を打ち出していますし、形状も幅広く用意されています。
システムキッチン選びの際には、是非レンジフードの機能・性能も視野にいれて選んでみて下さい。
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