- 河野 英仁
- 河野特許事務所 弁理士
- 弁理士
対象:企業法務
- 村田 英幸
- (弁護士)
- 尾上 雅典
- (行政書士)
2008年4月21日 執筆者:弁理士 河野英仁
1.米国特許商標庁(USPTO)は、ファーストオフィスアクション(OA: Office Action)前の、面接審査(interview)プログラムを開始する。このプログラムは2008年4月28日から開始され、約6月の試験期間を経て、問題がなければ正式に導入される見込みである。
2.本プログラムは主に審査効率向上を目的として行われるものである。現行法においても、ファーストOA前に面接審査の請求を行うことができる(MPEP 713.02)。しかしながら、面接審査を行うか否かは審査官の裁量に委ねられており、また、関連書類の作成及び提出等が必要となる。通常はファーストOA後に面接審査の請求を行うのが実務である。
3.新たに導入されるファーストOA前の面接審査の手続概要は以下のとおりである。
*上図:USPTOの発表資料より
(1)出願人は審査官に対し、ファーストOA前の面接審査の請求を行う。
なお、試験期間中は、
(i)2005年9月1日以前のClass709(コンピュータ及びデジタル処理システム等)に属する出願、及び、
(ii)2006年11月1日以前のClass707(データ処理、並びに、データベース及びファイル管理等)に属する出願 に限られる。
(2)審査官は先行技術調査を行い、面接前通知を出願人に発送する。この面接前通知には拒絶理由等が列記される。
(3)出願人は30日以内に、面接を行うか否かを審査官に連絡する。
(4)面接を希望する場合、補正案等を審査官に提出し、面接審査が行われる。審査官と合意に至った場合、この段階で特許査定を得ることができる。
(5)一方、面接審査を行わない場合、及び、審査官と特許性につき同意が得られなかった場合は、OA(First Action Interview Office action)が通知される。
4.コメント
本プログラムが正式に導入された場合、早期に権利化を図ることができることから、案件に応じて積極的に活用することが好ましいと思われる。筆者自身何度かUSPTOにて面接審査に同席した経験があるが、審査官から補正案の示唆を受けることができ、また、発言した内容は記録に残らないため禁反言をも未然に防止することができる。
何と言ってもface to faceでの議論となるため、書面と比較して早期に、またより広い範囲で権利化を図ることができる可能性が高い。本プログラムの今後の動向については追ってレポートする予定である。
詳細はUSPTOのHPをご参照ください。
http
以 上