「無給の長期休暇」は日本の社会を大きく変えるかもしれない試み - 家計・ライフプラン全般 - 専門家プロファイル

真鍋 貴臣
香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表者
香川県
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2016年12月10日更新

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「無給の長期休暇」は日本の社会を大きく変えるかもしれない試み

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ヤフー、最長1年の休暇導入へ 無給で過ごし方自由
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2901M_Z20C13A4TJC000/

【記事抜粋】

 ヤフーは今年度中に、勤続年数が長い社員を対象に最長1年間の休暇を取得できる制度を導入する。休暇中は無給となるが、長期旅行に充てるなど過ごし方は自由という。日常とは異なる新たな刺激に触れることを通じて発想力を高めるなど、社員のその後の仕事に生かしてもらう。

 対象となる社員の条件など制度の詳細は現在検討中。休暇期間は半年間から1年程度を想定している。社員にとって魅力的な労働環境をつくって人材確保につなげるのが狙いだが、「休暇の終了後に退社して起業してもよい」(宮坂学社長)としている。

【抜粋終了】

非常に興味深いニュースです。

こちらに関して、私は完全に賛成です。

健康保険や年金等、実際の運用に関しては色々と難しい部分もあると思いますが、できれば中小企業も含めて広がってほしいシステムだと思います。

■「無給の長期休暇」は日本的労働環境を改善する…かもしれない。

企業にとって、職員が一年間という長い期間離脱するのは、「業務」という面から見れば差し障りがあることでしょう。

「仕事に人がついている」欧米型の社会と異なり、日本はまだまだ「人に仕事がついている」為です。

逆にいえば、企業が「無休の長期休暇」を取り入れる場合、この「人に仕事がついている」という状況を改善しなくてはいけません。

「人に仕事がついている」状態は、「その人が抜けると仕事が回らない」という状況を生みます。

逆説的に言えば、「無給の長期休暇」を取れる状況というのは、「仕事が人についている」状態、すなわち「誰かが抜けても仕事がまわる」状態になっていると言えるのではないでしょうか?

こうした根源的な部分を克服する事で、一般的企業にはまだまだ根強い”日本的労働慣習”を克服できるかもしれません。

■「無給の長期休暇」は無リスクの起業トライアル制度

宮坂社長の言葉にもあるとおり、この制度は取得者の一定数が「起業」する事を前提にしているように感じます。

しかし、実際に起業するとなると「安定的に収入を得ることが出来るのか?」とか「失敗した後のリカバリーが出来ないのでは?」といった不安がよぎります。

その点、この制度は一年という期限を設ける事で、うまくいかなかった場合のリカバリー(職場復帰)が可能です。

「無給の長期休暇」は、ほぼ無リスクの起業トライアル制度といってもいいかもしれません。

■起業した社員に対しては、エンジェル的なポジションで支援を

更に、私がこの制度を面白いと感じるポイントとしては、一会社員として起業するにも関わらず、「社内ベンチャー」の様に会社に縛られる必要が無いという事です。

もし、起業目的の社員に対して「社内ベンチャー」といった形でチャンスを与えると、当然その結果(収益性の判断や顧客ボリューム、本業のとのシナジー等)が求められますが、「長期休暇」という枠組みの中で社員が自発的に行うのであれば結果はあくまで本人に帰結する問題であり、会社は口出しする事ができません。

そういう意味でも社内ベンチャーとは異なった、ユニークな発想の起業が増えるのではないかと思います。

個人的な希望を付け加えるのであれば、起業がうまく行き、元の会社に対してシナジーがでるような業務を行う場合には、会社は是非エンジェル的な役割を担ってほしいものです。



以上の様に、「無給の長期休暇」は素晴らしい可能性を秘めた取り組みだと感じます。

一部の先進的な企業や大企業だけでなく、広く中小企業にまでこういった制度が広がった時、色々な意味で日本の社会は変わるのではないかと思います。

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