一般投資家のポートフォリオに組む対象商品は少ない - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)
森本 直人
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年10月06日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

一般投資家のポートフォリオに組む対象商品は少ない

- good

  1. マネー
  2. お金と資産の運用
  3. 資産運用・管理
私は、投資・運用のオフィスでのご相談や、このサイトでの投資に関するご質問にお答えするのに、資産配分の重要性をお伝えしています。

その上で長期投資に適しているのはインデックス・ファンドの購入、それもできるだけコストが安い方法での購入をお勧めしています。
(安く買う意味は此方のコラムを参照下さい
インデックスファンドの選び方http://profile.ne.jp/pf/officemyfp/column/detail/29804)

また、業務としている、金融資産運用設計で、お客様のご相談を承っていますが、一番困ることは、ポートフォリオを組む上で、お勧めする商品の少なさです。
(私淑する山崎元氏もこれと同じ主旨のコラムを週刊ダイヤモンドに書いていらっしゃいました)。

資産配分(アセット・アロケーション)は様々です。夫々が保有されている資産の種類や額、ライフ・プラン上の諸要件(何時、どのような資金を必要とされているのか)、現在の収入と支出は? そしてリスクの許容度は?等々人の数だけ異なります。
 
資産形成を目的とした投資・運用で、お勧めできない商品は、山ほど見つかります。トップは変額年金保険(投資型)、次は多分配型の投資信託、そしてアクティブ・ファンドが上がってきます。なぜならば、コスト(特に、保険料や信託報酬)が高すぎて、長期的にはインデックスに勝てる見込みが極めて小さいからです。また、バランス型の投資信託は、資産配分を人任せにし、コストも高くなりますから、これもお勧めできません。

もし、投資信託で短期運用を考えて購入するのであれば別ですが、それであれば、個別株式(保有コストは掛かりません)や債券を直接購入することをお勧めします。コストが小さく、見込み通りにならなくても、長期保有(コストが掛からず)が可能ですから勝てる確率が上がります。但し、個別株は勉強する手間と研究する時間が掛かりますし、外国債券は通貨分散と期間分散が必要ですから、投資額が大きくなります。

外貨定期預金はコストの高さとリスクの大きさそしてリターンの低さでお勧めできません。

 不動産投資信託REITもお勧めしていません。既に多くの方が持ち家に住んでいらっしゃいます。しかも資産の過半は不動産で保有しているのが実態です。従いまして、REITを購入することは、不動産という資産に一層配分を集中することで、リスクが高まってしまいます。不動産価格が上昇すればよいのですが、下落した場合には、REITの価格も下がり保有不動産の価格も下がります。

 従いまして、不動産を保有していない方で、定期的な分配金を必要とされている方にお勧めするしかありません。REITは不動産を活用した配当を期待する商品で、値上がり益はおまけです。従って無リスク商品(国債)の利回りにプレミアムがのらなければ対象にもなりません。リスクに対応したリターンが必要で、REIT導入時の狙い値は5〜6%の分配金でした。

では、「どうしたら良いのか」とある相談者から尋ねられました。残念ながら私がお勧めする(できる)商品は極めて少なく、とても退屈なものになります。
1.株式と:現地通貨で発行される国債を直接購入されるか、
2.ETFを含むインデックス・ファンド、
3.MMF(円、外貨)、そして円の定期預金(仕組みなし)、
4.次善として、インデックス・ファンドで構成されたファンド オブ ファンズでノーロード、信託報酬1%以下のもの

程度です。

ただ、これだけあれば資産形成には充分な品揃えともいえます。あまり売買しないことが手数料などのコストは安くなり、そして譲渡益に対する税金も掛かりません。これを考えると、現代ポートフォリオ理論によれば、最も効率的な投資方法は、インデックス・ファンドをなるべく安く購入して、長期間保有し続けることです。ということもよく解ります。