調和力５　鏡のように反応する２

1996年に発見されたミラーニューロンという神経細胞を、私たちは持っています。これは鏡のように光っているとか、ミラーマンに変身するための細胞、ではありません。ミラーマン、懐かしいですね。ミラーマンの主題歌を歌いながら、私はいつミラーマンになれるのだろうか、と信じていた時期もありました。鏡といえば、秘密のアッコちゃんも懐かしいアニメです。あのコンパクトミラーを見ることは、当時の小学生の女子にとっては、とってもセレブリティなことでした。小学生の女の子はみんな、同じように、あっこちゃんコンパクトの鏡を見て、みんな同じ呪文を言って、みんな同じ動作をしてたんです。まさにこれこそ、鏡の仕業に違いありません。

他人の行動を見て、同じようにまるで鏡のように反応することから、この名前、ミラーニューロンがついたそうです。生後12ヵ月までに発達する、ということですから、随分早くに発達する必要がある神経細胞です。言葉を発するよりも、身体を必要に応じて動かすよりも、早くに発達するということは、おそらく、それらに対しても必要な神経細胞だということかもしれません。見ることによって相手の鏡のように反応する神経細胞ですから、見て模倣するということは、学習の根本だといえますね。ミラーニューロンについては、まだ全部が分かったわけではないようです。ですから、見る以外にも聞くことにも反応しているかもしれません。なぜならば、言葉もまた模倣によって学習するからです。