カンナの物語（2005)と宇宙微笑女カンナちゃん自己紹介

２００５年発表創作浄瑠璃「広島咲希望花カンナ」より抜粋

（冒頭）詩

カンナの花が咲きました

真っ黒焦げの大地に　真っ赤なカンナが咲きました

カンナの花言葉は「堅実な未来」


一月半前のことでした

その朝　私は　夏の暑い日差しを浴びて生まれた

ちいさなつぼみのカンナでした

その日　子どもたちが元気に学校に行くのをみていました

子どもたちは私に声をかけてくれます

私も緑の葉っぱをいっぱいに揺らしてこたえました

後から　お母さんが忘れ物を持って追いかけてきます

さっき　私にたくさん水をくれた　となりのおばさんが

洗濯物を干しています

向いの奥さんが　お弁当を持って出てきました


（浄瑠璃）

♫頃は１９４５年８月６日　時計は8時１５分を指したまま　黒こげに・・・・


（中略）


花も　人も　草も　犬も　蝶も　家も

みんな　みんな　なくなりました

私も爆風に飛ばされて　小学校まできました

さっき　私に声をかけてくれた　あの女の子でした

忘れ物を届けたお母さんでした

（中略）

（浄瑠璃）

♪親の願いはただひとつ　国や言葉はちがえども

子のすくすくと育ちしことにぞありにける

その幸せを　奪うもの 二度とあってはならないと

語り伝えて行くことが・・・・



あの日の　尊い命を受け継いだ

カンナの大事な役目です



ほら　みて下さい　私は今日も咲いています

あの日のたくさんの命を頂いて

しおれてなんかいられません

メソメソしてなんかいられません

未来は　あるのです

ほら　私を見て下さい　命は行きています

命をつないで行きましょう！　堅実な未来のために


そして伝えて行きましょう　大切な未来のために・・・・






私の名前はカンナです

ずっと　宇宙から地球に二度と原爆が落とされないように

見守ってきました

誕生日は　１９４５年８月６日

出身地は　広島爆心地から８２０mの地点

爆風に飛ばされて一度は枯れた私ですが

１ヶ月半後　皆に生きる希望を持ってもらいたくて再び花を咲かせました


復興とともに私はどこかへ刈り取られました

二度と繰り返してはならない「原爆」

宇宙の彼方から　見守ってきました

戦後から６０年　私の存在は忘れられました

今　一人の女性が

私のことを　世界中に伝えてくれています

私をバトンにして　花を咲かせることで

お互いに　リレーした先に想いを馳せ合うことで

お互いを大切な存在と感じることで

地球の堅実な未来を　子どもたちに引き継ぐために

本気で東奔西走してくれている人がいます

私は　一緒に「世界中の人の心に平和と希望の花をさかせましょう！」を頑張ります