お片づけ作業のご依頼をいただき、いろいろなお客様のお宅を訪問しているとそのお客様が何を好んでいるのか、どういったモノを多く持っているのかという傾向がよく分かってきます。
整理をするときに収納庫に入っているモノや収まりきらずに床に置きっぱなしになっているモノたちを全て集めてみると、人それぞれ特徴があります。消耗品のストックが異様に多い人、衣類やアクセサリーが多い人、クラフトの材料やラッピング材などが多い人、靴や下着が多い人・・・。本当に様々です。そして何故それらを大量に所有しているのかを聞くと「無意識の危機感」や「好きなモノへの執着」が感じられます。
「無意識の危機感」は本人はあえて意識していないけれど心のどこかで「これがなくなったら困るから買っておこう」という意識が発生しています。主に消耗品のストックを多く持つ人に見られる傾向です。震災の影響やメディアからの情報で、今持っていた方が「得」と思わせる意識が潜在的に働いています。しかし自分がいくつ持っていたら安心できる量なのかを考えずに購入し続けてしまうため、収納しきれずにモノであふれかえることになるのです。これを解決するには自分がどれだけ持っていれば安心できるかの量を決める、またそのモノがなくなるまでにどのくらいの時間がかかるかを把握する、なくなったときはどこでいつ購入できるか調べておくと危機感が安心感に変わります。例えば洗剤なら、1本なくなるまで2週間かかり、最低2つストックがあれば安心、なくなったら近くのスーパーで朝9時~夜12時まで買いにいける、など具体的に調べましょう。自分の不安感の原因を探り、解決方法を具体的に考えることが大切です。
「好きなモノへの執着」は実用的なモノ(服や靴、バッグなど)であれば使う頻度を具体的にイメージしましょう。服が好きな人でも365日毎日違う服を着ている人はそうそういません。1ヵ月に1度も同じ服を着ない人も滅多にいないと思います。それでは1週間ではどうでしょう?もし1週間毎日違う服を着るならトップス7着、ボトムス7着という風に具体的に数値化できますよね?必要な量を具体的に数値にしたり、または収納ケース〇個分までは夏物の服、など収納スペースで区切る方法もあります。具体的に決めずに買うと、どんどん稼働しない服が増えていき持っていること自体を把握できなくなります。自分が好きなモノに執着しやすく、買いすぎる傾向にあることを認識していて、具体的な適正量を知れば必要以上に増やさなくなってきます。
モノは何のために所有するのでしょうか?「使う」つもりで買ったものもいつの間にか「しまう」だけで使わなくなっているものがたくさんあると思います。モノは使って初めてその役割を果たします。しまっておくことを「モノを大切にする」ことと勘違いしている人が多い日本。「モノを大切にする」ことは「大切に使う」ことですので間違えないようにしましょう。
暖かくなってきて動きやすくなってきましたね。さわやかに春を迎えられるようにお部屋の整理をしてみてください。
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