- 志田 茂
- 志田茂建築設計事務所 代表
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
昨日、録画してあった All Ways 三丁目の夕日’64 を見ました。見ている間、ずっとぐすぐす涙・・涙・・・・
そこに描かれているのは、バカみたいに バカみたいに バカみたいに・・・・本当にバカみたいにお人好しのひと達。。
映画であり、誇張されている「お人良し」である事は十分わかってはいるのですが、端々に出てくる「ひとの温かさ」に・・・心が熱くなります。
今と何が違うんだろうと考えていてわかったのは、今のように、子供は子供だけ、大人は大人だけ、親は親だけ、、みたいな、ある特定の条件が一致するグループだけしか付き合いのない・・ のとは違って、「あの時代」は、大人も子供も、年寄りも若い者も、みんな同列で、いっしょくたんで、何か特別な線引きをする事なく、「ひととひとの関係」 があったという事です。
「あの時代」の全体の条件として、みんながまだまだ貧しかった という事があります。でも、それでも ひとはたくましく、ささいな事に喜び、喜び合い、そここに 「幸せがあった」 のです。
映画の中で、三浦友和演じる宅間医師が、無報酬で医療行為をする若い医師について語る場面 (正確ではないですが・・)
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今はみんなが上を目指している時代。
みんなが豊で便利な暮しをしたいと思っている。
(彼がなんで(違法医師行為)するかというと・・)
うれしいから・・。お金持ちになるより、人の安心する顔をみる事が幸せなんだ、、、と。
幸せとは 何でしょうな。。
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時代は進み、この国の経済は頂点を極めました。でも、物質はあふれていても 本当に豊かな国になったのでしょうか?
幸せとはなんでしょう?
普通の事が、当たり前にできる事 ・・・・ 幸せです。
その程度は人それぞれですが、多くの事ができないとしても、腐る事なく、少しの事が出来る事を「幸せ」と感じられるなら、それもまた、幸せ なのでしょう。
自分の幸せは、自分だけでつかんだ 当然の事 ではなく、その幸せを 「ありがたい」 と思える事、そして、幸せを分かち合えるひとがいる事が、本当の 「幸せ」 なのかなと・・・ うまく表せませんが、そんな事なんじゃないかと、映画を見つつ思うのでした。
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自分の家が持てる事は、 幸せな事です。 本当に それは 幸せな事です。でも、人生を掛けてやる事でもありません。これみよがしに作るものでもないと思います。
家族が、訪れる人が、笑顔になれる家は、幸せな家です。 そして、その家は街の(地域の)中にあります。土地は、自分が買ったものだけど、街が(地域が)あって成り立つものです。もっと言えば、元々土地は誰のものでもありません。
ある一時・・・・「使わせてもらう」 ・・・そんな 「ありがたい」 に通じる気持ちを持って家を作れば、きっと、道行く人達に 「なんだかいい家だね」って思ってもらえるものになるような気がします。
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