保険の指定受取人とその相続人となるべき者が同時死亡した場合
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- 公開日時
- 2012/10/11 08:17
【コラム】生命保険の指定受取人とその相続人となるべき者が同時死亡した場合における指定受取人の相続人の範囲(最判平成21・6・21民集63巻5号953頁)
本件は、夫が被保険者で、保険金受取人が妻である生命保険契約を締結していた場合において、そのいずれもが死亡し、その先後が明らかでない場合において、妻の兄が(妻の唯一の相続人)、平成20年改正前商法676条2項の規定により保険金受取人になったと主張して、保険会社に対して、保険金の支払いを求めた事案です。 夫の弟(夫の唯一の相続人)が妻の兄とともに保険金受取人となるのかが争われました。 判旨は、「商法676条2項の規定は、保険契約者と指定受取人とが同時に死亡した場合にも類推適用されるべきものであるところ、同項にいう『保険金ヲ受取ルヘキ者ノ相続人』とは、指定受取人の法定相続人又はその順次の法定相続人であって被保険者の死亡時に現に生存する者をいい、ここでいう法定相続人は民法の規定に従って確定されるべきものであって、指定受取人の死亡の時点で生存していなかった者はその法定相続人になる余地はない。したがって、指定受取人と当該指定受取人が先に死亡したとすればその相続人となるべき者とが同時に死亡した場合において、その者又はその相続人は、同項にいう『保険金ヲ受取ルヘキ者ノ相続人』には当たらないと解すべきである。」として、本件契約における保険金受取人は、妻の兄のみとなるとされました。 |
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