土地・家屋の相続について
自宅の事でご質問させていただきます。近々道路工事により立ち退く(売却する)必要があります。自宅は昭和57年新築したのですが、義姉夫婦と同居することになり、土地の名義を私、家屋の名義を義兄として登記しましたた。その後義兄は平成3年頃に亡くなり、その際特に名義変更(義姉に)しないまま義姉も平成8年に亡くなりました。義兄・義姉間に子供がおらず、その後の固定資産税は私が払い続けています。ただ、義兄には兄弟がたくさん(11人)いて、ほとんどは亡くなったのですが、現在は上に1人(その子供は4人)、下に3人(子供なし)います。このような場合の相続人は兄弟になるかとは思うのですが、一人を除き全く面識がありませんし(葬儀にはきていたようですが…)義兄、義姉が病気になった際の世話も妻がやっておりましたし、増築した際にも自分が費用を負担した経緯があるため、いくら兄弟とはいえ、今更権利の事をどうこう言ってもらいたくはありません。権利を主張してきた場合に拒否できるのでしょうか?もし不可能であった場合、売却金はどのように割り振ったらよいのでしょうか?
やまゆうくんさん ( 新潟県 / 男性 / 59歳 ) | 2008/02/21 00:29
相続権と相続の順位をお知らせします
やまゆうくん様 初めまして。オフィス マイ エフ・ピーの吉野充巨です。
アドバイスの前に相続権の内容に沿い、幾通りかケースをお知らせします。
一度親族関係を明確にされるようお勧めします。
最初に義兄様が無くなられた際には、お子様がいらっしゃらないので、資産の全てを義姉様が相続しています。お義兄様のご兄妹への相続はありません。従いまして、お義兄様のご兄妹との代金請求等の話し合いは退けられます。
但し、義姉様の相続に関しては、お子様がいらっしゃいませんし、ご両親も記載がありませんから、義姉様のご兄妹に相続権があります。ご兄妹が死亡されている場合は、その方の子が代襲相続します。
平成8年に無くなられた際の遺産分割はどのようにされたのでしょうか。
義姉夫婦と書かれていますが、この場合、奥様はお姉さまのご兄妹なのかが重要です。もしご兄妹で、且つ、お一人だけの場合は奥様が全てを相続します。
他に居る場合は、ご兄弟間での話し合いが必要です。その際に、義姉様の他のご兄妹が納得されれば、奥様が住居を相続し、売却代金は奥様が得ます。10年以上お住いになられていますから、
お兄様のご兄妹であれば、やまゆうくん様の奥様には義姉さまの相続権はありません。他の方が相続します。従いまして、売却した場合は相続権のある方たちとの話し合いになることが予想されます。今までにお支払になられた金額と税金の分にどれだけ上乗せが図られるかをお話し合い下さい。
時効取得を検討
道路用として売却するとしても、財産の権利者は誰かを特定しなければなりません。
その為に平成3年時点と平成8年時点に戻って解きほごす必要があります。
義兄が無くなった平成3年の相続人は親もいなかったとして、妻である義姉に3/4、兄弟に1/4の権利が発生します。評価額は固定資産税評価額です。現在その兄弟が亡くなっているとしたら、その相続人が代襲します。
次に平成8年の義姉の相続ですが、全部を兄弟で分けることになります。当時の兄弟で均等に分割し、現在死亡されている兄弟はその相続人が代襲します。
つまり、相続人が何十人になる可能性があります。
こうした複雑化した相続案件を解く別な方法として、「時効取得」の制度があります。
民法162条、163条によると、公然と所有の意思をもって10年以上住んでいるという事実を容認するべきだと言う制度です。
更に貴方は固定資産税も支払ってきています。
よって「取得時効」を適用して名義を貴方に登記できないかを、司法書士に相談されたら如何でしょうか。