大澤 眞知子(クリティカルシンキング/バイリンガル教育)- コラム「「うちの子バイリンガルにしたいんですの。」」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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オオサワ マチコ
( クリティカルシンキング/バイリンガル教育 )
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「うちの子バイリンガルにしたいんですの。」

- good

Be Bilingual 2025-03-25 07:07

2011年12月10日にこんなコラムを書きました。

「うちの子バイリンガルにしたいんですけど。」

 

まだ日本でクリティカルシンキング思考法を指導していた頃です。

早期英語教育がブームになってもう久しい頃、意味のない幼児英語教育に子供の手を無理やり引いて連れ回るママ達が闊歩していました。

 

私?

もちろん手を染めていません。

早期英語教育は脳科学からは全く効果がないどころか、母国語を自然に発達させるべき脳に怖い影響さえ与えることがわかっていたからです。

私が学んだ「脳科学」「発達心理学」「言語心理学」からも明らかな事実です。

 

が。

ママ達の狂乱ぶりはひどかったですね。

2011年のコラムから少し抜粋してみます。

 

「うちの子をバイリンガルにしたい!」と、乳幼児のころから英語CD,DVD(懐かしいDevice!)、英語教室。 そんな方達に、最新の科学リサーチ結果(by University of Washington) 「バイリンガル脳はどう育つか」が衝撃的です。

期待させたあと、がっかりさせたくないので、まず結論から。

日本の乳幼児にいくら英語CDを聞かせても、DVDを見せても、英語教室に連れて行っても、バイリンガルにはなりません。脳は反応しないという結果です。これまでにも多くの言語科学者が発表して来た説がいよいよ信憑性を帯びてきました。

バイリンガル脳とは、生まれたときから2ヶ国語に囲まれて育つ脳のことです。周りで常に2ヶ国語の刺激が存在する必要があります。そして、そんな脳は、まったく異なった発達過程をたどります

ここでは、Monolingual (一ヶ国語の脳)の育ち方。生後6か月目までの脳は何語の音でも聞き分け出来ます(これはかなり前から科学で証明されています)。驚きですね、まったく家で英語を聞くこともない日本の赤ちゃんでも英語の音を聞き分けることが実は出来ています。ところが残念、10か月を過ぎる頃から、Monolingual の子供はその能力を急激に失い、脳は母国語のみに集中し始めます。つまり、常に日本語を聞いている日本の赤ちゃんには日本語のみ聞きわけしか出来なくなります。あ~~残念。 英語の音は脳から消えてしまいます。

「あ、じゃぁ、それまでにDVDとCDと・・・・。」 いやいやちょっと待って下さい。

Monolingualの乳児と比べ、Bilingual(常に2ヶ国語の環境にいる)の乳児はまったく異なる脳の発達過程をたどります。驚くべきことに、Bilingualの脳は6~9か月までは一体どちらの言語の音も聞いているのかの識別は出来ていないそうです。その後、急激に脳が発達し10~12か月目で、両方の音の聞き分け能力が完成します。

つまり、Bilingualの子供の脳の能力範囲は、最初は狭いけれど後で急激に広がり伸びるということです。Monolingualの子供の能力範囲は狭くなるのに・・・・。 しかも、2つの言語に刺激されたBilingual脳は、言語能力だけでなく、記憶、知識などの分野も大きく発達、「問題解決」「論理的思考」などにも優れた能力を持つことも証明されました。

すばらしい! だから絶対うちの子も急いでバイリンガルに育てなくちゃぁ! 生まれた時から英語のCDを聞かせて・・・DVDも見せて・・・。

がっかりさせて残念です。 人間の脳はそう簡単にはだませないことも分かりました。

アメリカで生まれた赤ちゃんに母国語として中国語を話す人物からの話しかけを続けました。 結果、その子供は英語はもちろん、中国語を聞き分ける能力も持ち続けて育ちました。

それに比べ、同じくアメリカで生まれた赤ちゃんに中国語の音声を浴びるように聞かせました。TV、CD,DVDを使って。残酷なほど、まったく効果はありませんでした。脳は中国語の音をまったく学ぶことが出来ませんでした。

乳幼児の言語習得には、顔を見て、生身の人間と直接接することが必須だとまたまた証明されたのです。「そうでない人工的な音、CD,DVDなどが入ると、人間の脳は自動的にスイッチが切れるようになっているようですね。」と研究者は結論づけています。TVで英語番組を流し続け、その前に幼児を座らせても全く無駄、脳は見向きもしないということです。

「そうしたら・・・・・ 英語のNative Speaker を24時間体制で雇うしか・・・・・!」

パニックになる前にじっくり子供の脳の発達を考えてみましょう。これら諸々の早期言語教育に関する研究論文が示唆していることは何でしょう。

効果のない早期英語教育で人工的に幼児の脳を操るより、たっぷりの時間の中でいっぱい遊ばせてあげることが一番ということ。遊びを通して発達した脳もまた大きく能力を伸ばすことが、発達心理学の研究で科学的に証明されています。習い事に通いづめた幼児の脳より、自然に周りの刺激に反応して成長した脳の方がはるかに大きく育つことがわかっています。」

___________________

何も付け足すこともない見事なコラムだなと、思わず自分で褒めてしまいました。

この後続々発表されたバイリンガル教育についての研究も、このコラムで述べたことを完全に裏付けています。

新しい発見も多いです。

その中の画期的なものが、両親が母国語である2言語を使い育てるバイリンガル以外の教育についてです。

明確な答えは、「幼児期の母国語以外の言語教育は脳に悪影響」

そして、「まずは母国語を確立することが必須」

更に、「本格的なバイリンガル教育は10歳前後の脳が最適である。」

  

「うちの子バイリンガルにしたいんですの。」と東奔西走する親を嘲笑うかのように、間違った英語教育を売り物にする小学校やインターナショナルスクールが花盛りの日本になってしまいました。

科学は一体どこに行ってしまったのでしょう。

それよりも、何よりも、せっかく持って生まれて来た言語能力の発達を阻害され、日本語でさえ満足に使用出来ない子供が日本中に増えていると思います。

英語どころじゃないです。

一生つきまとうセミリンガルという悲惨な言語能力、両方の言語共能力が中途半端な日本人が増産されている気がします。

  

「子供さんの英語教育がどうもおかしい、上手く行っていると思えない。」と疑問を持っている親のみなさん、1日でも早くご相談下さい。

子供さんがまだ10歳前後であることを祈りますが、中学生年齢でもある程度の巻き戻しは可能です。

  

言語能力は一生つきまとう、大切で欠かすことの出来ない大きな能力です。

言語が有効に高いレベルで使えないと、何も出来ません。

逆に言語能力の高い人は(Linguistic intelligence)何をやっても周りと差をつけることが可能です。

大事なOutput能力を備えているからです。

  

私の指導する”Be Bilingual”でお待ちしています。

科学に基づいた正しい指導(いや「治療」ですね、もはや)で子供さんの生来の言語能力を引き出し、最新の科学に基づいたTranslanguaging 理論で導いていきます。

まずは、メールでご相談下さい。

丁寧にお返事させていただきます。

 

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