大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「アルバータ州の大学留学希望です-治安は良いですか?」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
Super World Club 代表
サービス:1件
Q&A:116件
コラム:1,643件
写真:1件
お気軽にお問い合わせください
※ご質問・相談はもちろん、見積もりや具体的な仕事依頼まで、お気軽にお問い合わせください。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

アルバータ州の大学留学希望です-治安は良いですか?

- good

留学 大学・高校正規留学 2019-12-29 10:24

なぜか最近アルバータ州留学への質問によく出会います。

留学生の多すぎるBC州、オンタリオ州も大問題ですが、アルバータ州には社会的な大きな問題があります。

「誰にでも出来ますよ」式のエージェントが語るインチキ留学が限界を向かえているカナダです。


【質問】 

アルバータ州の大学に留学しようかと思っているのですが、治安は良い感じですか?


【回答】 

2016年から2019年夏までアルバータ州留学事情を実地検証しておりました。

日本で38年間クリティカルシンキングを指導した後、2016年カナダにベースを移し、余りにも留学生の集中するBC州・オンタリオ州ではなく、ロッキー山脈を超え東に東に広がるアルバータ州を調べることからカナダの活動を開始した次第です。

2019年9月にBC州に戻ってきたところです。


残念ですが、アルバータ州を取り巻く環境は特に昨年以来一変し、必ずしも留学を勧められる場所ではないと考えます。


昨年度の州政権交代により、相当の保守に傾く政権が誕生しました。

首相を決める全国選挙でも、アルバータ州からは自由派の議員は全滅、すべて保守の議員で占める場所となりました。


それら保守派が特に掲げる方針は「移民に仕事を奪われた(と思い込んでいる)教育レベルの低い白人」の権利を守ることです。

ここ数年続いているオイル不況や、太平洋に抜ける石油のパイプライン建設が自由派の反対で滞っていることなどから、オイル業界での人員整理が進み、特に単純労働に従事していた教育レベルの低い白人層がどんどん仕事を失っています。


現在のアルバータ州20代の失業率は23%という異常に高い数字が、緊迫した状況を物語っています。

そして、その人達、また周りのカナダの人達も必ずしも移民・留学生には好感を持っていません。

多民族主義を掲げる移民大国のカナダですが、経済が不況になるとなぜか移民や留学生にうっぷんの矛先を向ける傾向が見られるのは非常に歯がゆいですね。

トランプアメリカの悪影響も大きいと思います。


アルバータ州は畏敬の念を覚えるほどの壮大な自然に恵まれています。

土地も果てしなく続き、どこまで行っても地平線しか見えないこともあります。

その広大なアルバータ州を覆うのは大規模農場。

その農場の合間に小さな町が点在するのがアルバータ州の田舎です。


その田舎では、最近犯罪発生率が異常に高く、人里離れた家々を狙う空き巣は日常茶飯事です。

犯罪者は主に仕事のない、お金に困っている人達です。

白人から差別されている先住民族の若者も、農場荒らしなどをやっています。

銃を使用することも多々あり、田舎の人達は自分たちでも銃を用意し自己防衛に走るという状況も報道されています。


都市部でも、犯罪が多く発生しており、移民を巻き込むケースも多々見られます。

アルバータ州の都市部では唯一エドモントンには自由派を掲げる人々が見られますが、白人至上主義にも近い他のグループの影に隠れてしまっているのが残念です。


従って、高校留学は言語道断、大学留学でも英語能力の準備から始める必要の「(TOEFL,IELTSなどのスコアが低いため)ある方にはお勧め出来ません。

自分で危機管理するだけの英語能力も精神的強さも足りないと思います。

英語準備コースの受け入れ体制もそれほど整っていません。


しかし、アルバータ州の有名大学、University of Alberta, University of Calgaryなどからの学位取得を目的に、日本の高校でのトップクラスの成績とTOEFL 90以上、IELTS 7.0以上などの高い英語能力もお持ちの場合は全く別問題です。

特にそれら大学で何を学びたいのか、なぜアルバータの大学でないといけないのかの目的意識も明確な場合はぜひアルバータ州に挑戦して下さい。

 

カナダでは大学生はすでに社会人、大人と見なされています。

それら大学生の仲間入りをし、アルバータ州で学ぶことは多いと思います。

私自身も3年間過ごしましたが(1年半は地平線しか見えない大平原の家、その後の1年半はエドモントン)アルバータ州の持つ潜在能力も十分観察出来ました。

将来アルバータ州が「異なる人たち」を自由に認めるようになることを期待したいですね。


急激に変化する世界状況の中、自分の目的達成のためにも日本にいる間に十分力をつけ、準備を完璧にしてからカナダに来て下さい。


(アルバータ州の具体的な事例についてはコラムをたくさん書いておりますので参考にして下さい。)


Good luck!

「カナダ高校留学の実態」eBook ダウンロードはこちら

「クリティカルシンキングがわかる」eBookダウンロードはこちら

日本人のためのクリティカルシンキング学習サイト(留学準備に必須) UX English 

Podcast [カナダにいらっしゃい!] 



プロフィール対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム写真