大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「クリティカルシンキングが笑っている日本の大学入試大混乱」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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クリティカルシンキングが笑っている日本の大学入試大混乱

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クリティカルシンキング 2019-11-02 05:27

カナダからオンラインで教えている生徒の親から第一報。

「英語民間試験の活用見送り 見切り発射で混乱拡大」を知りました。


相変わらずですね、科学も論理も存在しない日本の入試改革。

かなり前に「クリティカルシンキングからの提案-入試止めれば?」を公開しました。


今回は「入試廃止」論はちょっと我慢し、「英語民間試験活用」のお粗末さをクリティカルシンキングで切ってみようと思います。


1.民間試験団体に準備を丸投げした文部科学省


すべてに合意が出来た後、テストのプロである(かな?)民間段階に丸投げすること自体は悪いことではないのでしょうが、クリティカルシンキングの大切な第一歩を無視したことが大きな失敗だと思います。


Define your terms. (何をやろうとしているのかを定義し、関係者すべてが同じ定義に基づき準備、施行する)


・なぜ英語は民間試験を活用するのか

・なぜ地域格差や経済格差を無視してまで民間試験が必要なのか

・それぞれの民間試験で一体何を測ろうとしているのか

・それぞれの民間試験内容の大きな差にはどう対処するのか


一致した「定義」なしでは、子供会のイベント準備でも失敗しますよ。


A子ちゃんは「秋の紅葉を見たいから山の神社へハイキング!」B子ちゃんは「新作映画を見たいからモールの映画館にみんなで」C助君は「サッカーがしたいので町のグランドで一日サッカー大会!」


ほらね、何のためのイベントを企画するかについて、みんなの「定義」が異なります。

まず、そこを一致しない限り、そこから先には進めません。

見切り発車で、「サッカー」を実施しようとしても、参加者がどんどん抜けて「イベント見送り」になりますよ。


それをやらかしたのが政府であり、今回の大混乱の源かも。



2.政府からの思い込みの多すぎた英語民間試験導入-上から目線の政府主導改革の大失敗


「定義」なしの丸投げどころか、問題点への真剣な解決法さえも、上から目線で「政府が決めたから従え」だったらしいですね。


英語教育専門家たちの多方面からの問題点指摘を無視し、英語教育に対する「思い込み・偏見・感情的意見」で突っ走った政府。


民間試験業者はそりゃ大きな収入になるので喜んで政府に従うでしょうが、「定義」も「余りにも多い問題点への解決法」もない状態では、てんでバラバラの滑稽な大混乱は当たり前。


「君、これをやっておきたまえ」式、えらそうな政府の態度には、クリティカルシンキングがお腹を抱えて笑っています。

 

クリティカルシンキングに必須な「多方面から考える」「思い込み・偏見を排除」「証拠に基づかない感情的意見は排除」が完全に向け落ちていた改革案でした。



3.何が言いたいのか意味不明の文部科学大臣「一度立ち止まってシステムを見直す」


「システムを見直す?」

どういう意味ですか?


システムとは?

またしても「定義」してもらわないと前に進めないようです。


それに、政治家の大好きな「見直す」ですが、ここらでクリティカルシンキングさんにアドバイスしてもらったらどうでしょう。


Consider other interpretations. (全く異なる見地から考えてみること)


政府の言う「読み・書き・聞き・話す」英語能力を測りたい=民間試験を使う


これは一体どこからやって来たことでしょう。

そこからの問題解決から始めないと、日本の受験生は永遠にアホなおじさん政治家に振り回されることになりますよ。



4.そもそも「英語」がなぜ大学入試に必要なのでしょう。


クリティカルシンキングの第一歩「なぜ?」に戻ってみましょう。

「なぜ英語が出来ないと大学に入れないのですか?」

日本の大学なのに。


幼児英語教室狂乱、専門でもない教師がカタカナで教える小学校での英語教育、遊び半分の外国人を使ったALTの全国配置、などで必死の現場。


それでも日本人の英語能力は世界で取り残されたまま。


そこに端を発した「英語が大学入試には必須」という妙な考え方。

日本総人口がすべて英語能力がないといけないという考えはどこから来ているのでしょうね。


小学校からなど「英語」を教えたりせず、中学になってから興味を持つ生徒のみが選択出来る教科にしては?


日本人が英語下手なのは、クリティカルシンキング不在が大きな原因だと思います。

社会全体にも存在していないクリティカルシンキング、指導する教師たちにもおそらく理解出来ていないクリティカルシンキング。


そこから日本人の英語力を底上げしていくには膨大な時間と、指導法の大転換が必要です。


「英語」を勉強したい子供のみが英語を選択し、英語のストリーをゆっくり楽しんで読み、「なんでかなぁ?」をじっくり考える時間があれば、多分50年後くらいには日本人の英語力は変わってくるのではと思います。

指導する人たちにもクリティカルシンキング思考法が浸透して来るでしょうから。


それまでは、「英語」を大学入試から取り払うこと。

これをお勧めしますね。


あ、また、クリティカルシンキングが笑ってます。


Poor thing, 受験生!

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