大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「カナダ留学を支える悪質エージェント」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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カナダ留学を支える悪質エージェント

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留学 大学・高校正規留学 2019-07-19 09:29

ファーウェイ幹部Mengの逮捕から、カナダと中国との関係がずいぶん悪化しています。

駐カナダ中国大使はこんなことを言っています。

“China’s ambassador to Canada last week hammering English-speaking countries as “arrogant” and rife with “white supremacy” for their defence of Meng’s arrest.”

「英語圏の国は傲慢で白人至上主義がはびこっている。」


それでも、カナダにやって来る中国人留学生は減りそうもありませんし、かえって増えて来ている様子です。

サウジアラビアとカナダの関係が悪化した際に、サウジアラビアが留学生を本国に呼び戻したのとはかなり様相が異なるようです。

「やった!中国人留学生が減る!」と期待しているのですが。


中国人留学生に一番人気のカナダには、現在186,000人がいます。

カナダ全土の留学生500,000人のうち3分の1を占める計算になります。

しかも、トランプアメリカを嫌う中国人がカナダに目的地を変更し、更に多くの中国人留学生がやって来ると予想もされています。


結果、カナダの教育機関は中国人留学生の払う授業料依存症という重い病に伏してしまいました。

中国人留学生がいなくなったらカナダ経済も、学校運営も、地域コミュニティも成り立たなくなってしまった。

これが現在のカナダ留学事情です。


元々、特に高校留学生から巻き上げる高額な授業料を目論見とし、立ち上げたカナダ教育委員会の留学生プログラム。

アジア、インド、中東などの金持ち親からいかに巻き上げることが出来るかが、プログラム成功への鍵となって来ました。

中国人の親が一番熱心にその企みに乗っかって来たというのが、現在カナダで起こっていることです。

 

留学エージェントの悪質さがここで浮き彫りとなって来ます。

カナダの受け入れ側と留学予備軍の親との間で暗躍するいわゆる留学エージェント。

Vancouver Sunの記事にはこう書かれています。


“The trouble with agents dominating the field of global education is many are providing misinformation to students, steering them to inappropriate schools and not warning them about how difficult it will likely be to learn workable English. Many students get stuck in never-ending English-remediation classes.


「留学を取り仕切るエージェントの悪質さは、留学予備軍に虚偽の情報を出し続けることです。 不適切な学校を紹介し、現実に役に立つ英語を学ぶのがいかに困難なことかを正直に伝えず、生徒を送り込むのがエージェントです。 その結果、ほとんどの留学生が、『留学生用英語クラス- ESL/ELL』に入れられ、そこから出ることが出来ません。」


“To root out abuse and increase overseas families’ trust in such agents, Australia, New Zealand, Britain and Ireland have developed a code to regulate them, say Thompson Rivers University researchers Victoria Handford and Halying Li.”


「エージェントによる留学生虐待を根こそぎにし、留学生の親がエージェントを信頼出来る環境を作るため、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランドではエージェントを取り締まる規則を作り目を光らせ始めました。」


“But Canada has not signed on to the protocol, which is designed to ensure the agents behave more ethically.

Meanwhile, Canada’s recruiting continues apace.”


「ところが。 カナダはこのような取り決めを締結する意志はないようです。 カナダに留学生を送り込むエージェントが倫理観を基に行動する規則を作る動きはカナダでは見られません。 その間にも、カナダは更に一生懸命留学生を勧誘し続けていきます。」


カナダ政府も中国人留学生を三顧の礼で迎えます。

移民大臣のHussenも「中国人留学生を増やすためにやれることは何でもする」と妙な頑張りを見せています。

中国には、カナダのビザセンターがなんと7箇所新しく開設されたそうです。

中国からの留学生の手続きが簡単になるようにと。


あれ?

日本にあったカナダのビザセンターは数年前に閉鎖。

現在は、日本ではカナダビザの手続きは扱っていません。

わざわざフィリピンのカナダ大使館に連絡しないといけないという「日本人はどうでもいい」扱いなのには首を傾げます。


その結果、日本の留学エージェントが更に必死で悪質な嘘をつき、留学生勧誘を始めたのかも知れませんね。

自分たちのビジネスが成り立たなくなりますから。

(悪質な日本のエージェントについては、またの機会に書いてみることにします。)


騙されてカナダにやって来た中国人留学生もかわいそうです。

カナダ!と来てみたらクラスの70%が中国人。

中国にいるのと何が違う?と当惑しているそうです。


今年2月から3月にかけて実施した「カナダ高校留学受入れ学区サーベイ」で、「ん?日本人高校留学生?」と軽くあしらわれたのもこのせいかも知れないですね。

「日本の未成年をどんなに扱っていますか? 留学前に正直に情報を出していますか? エージェントが嘘をついていないかどうか確かめていますか?」と。


「中国人留学生がいっぱい来るから、日本人が少々文句を言ってきても痛くも痒くもないわ」と思われたのかも。


高校留学中、留学予備軍の親子のみなさん。

こんなカナダの裏の顔もよく認識してから一生の決断をして下さい。


エージェントに騙されて高校留学すると「ほとんどの留学生が、『留学生用英語クラス- ESL/ELL』に入れられ、そこから出ることが出来ません。」の仲間入りをする留学になってしまいますよ。

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