大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「カナダには大学からいらっしゃい!」頑張る日本の高校生のみなさん」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
カナダにいらっしゃい!

大澤 眞知子

オオサワ マチコ
( カナダ留学・クリティカルシンキング専門家 )
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「カナダには大学からいらっしゃい!」頑張る日本の高校生のみなさん

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留学 大学・高校正規留学 2019-03-08 08:55

「カナダ高校留学」の受入先、School District に質問を投げかけた調査が終了しました。

Yay!

 

30年近くに渡り目撃して来たカナダ公立高校のInternational Student Program。

 

残念ながら受入先のカナダ公立高校留学プログラムには「大きな勘違い」が広がっていると感じた調査でした。

「留学プログラム」初期のSDには、まだ良心がありました。

留学生の入学を許可する基準が結構高かったです。

「優秀な日本の高校生をカナダの公教育に呼び込むことは、カナダの地元そして高校生にも大きな利点がある。」という大義名分が生きていた時代です。

(惜しいですね〜)

 

ところが、入ってくる授業料の額にうっとりし、皮算用予算を組み始めたSDに大きな打撃が降って来ました。

政府からの教育予算カットと、アジア金融危機です。

 

予算不足を留学生の授業料でまかない始めました。

もっともっと必要だと思い始めました。

が、そのもっともっと必要な授業料が減っていく危機がやって来ます。

 

1997年にタイから始まったアジア各国の急激な通過下落、特にIMF管理に入るほどの危機状態に落ちいた韓国から留学生がカナダから引き上げ始めました。

留学費用を払えなくなったからです。

 

SDの留学プログラムの取った苦肉の策「優秀かどうかはどうでもいい。 とにかく留学したいなら誰でも入れろ。」

急に学校の雰囲気が変わったのを覚えています。

エージェントへのリベート率が上がったのもこの頃です。

「能力なんてどうでもいいから、もっと送って!」

 

日本からやって来る高校生の質の異常な低下に呆れ果て、SDの「留学プログラム」に問いただしました。

「入学の基準をかなり下げませんでしたか?」

当時BC州ラングレー留学プログラムのナンバー2であったSilvia という女性がこう答えました。

「韓国からの留学生が減った分を補うために仕方なかった。」

 

それからです。

カナダの高校留学プログラムが大きく変わって行ったのは。

(現在のカナダと中国の敵対関係の中、中国人留学生が引き上げたら、今度はどんなことになるのかハラハラします。)

 

移民・難民を寛容に受入、一般市民レベルでの受入サポートも素晴らしいカナダで。

教育レベルも高く、優秀な日本人高校生には大きな効果をもたらす潜在力のあるカナダで。

非常に残念に思います。

 

「学習能力の高い日本人高校生が、カナダの教育制度の恩恵を受ける」はずの「高校留学」がここまで問題児となったのには、エージェントの責任も大きいと思います。

 

今や140近くのSchool Board(相当の僻地までも)が留学プログラムを持ち、日本だけでなくアジアや南アメリカにセールスを行っています。

面倒を省くためにエージェントを積極的に募り始めました。

 

Google で「カナダ高校留学」検索をすると、出てくる出てくるエージェント。

一体いくつあるのか数える気も失せるほどです。

そのエージェントが、留学希望者の奪い合いをしている市場です。

 

普通は物を売る際には、その製品がどれだけ良いものかの宣伝をし、他との差別化を図りますが、カナダに高校生を送りたいエージェントの持つ製品は「カナダの高校教育」です。

同じ製品を星の数ほどあるエージェントが売っていることになります。

全く同じ製品を買わせるために、狭い日本のマーケットの中で留学希望者を奪い合うための競争をしているのがエージェント。

 

優秀な日本人高校生だけを相手にしていたのでは、商売が成り立ちませんよね。

その結果が、「誰でも行けますよ。」「日本でうまくいかなくても大丈夫」と、基準をどんどん下げていくエージェントセールスになっていったのだと思います。

 

eBook, 今回のサーベイをきっかけに、また多くの親子との出会いが始まっています。

高校は日本で十分な英語の準備をし、大学から「大人」としてカナダにやって来る道を選ぶ方も多くなりました。

学習能力の高い日本人高校生には、その能力を最初から認識出来る、良心のある受入学区を一緒に探すお手伝いもしています。

 

カナダ留学への前向きなお手伝いになれば幸いだと思います。

「カナダには大学からいらっしゃい、日本の頑張る高校生のみなさん!」

 

 

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