大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
外から見た日本 - 日本のお母さんの過酷な毎日
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“Japan’s Working Mothers: Record Responsibilities, Little Help from Dads”
New York Timesがこんな記事を掲載しました。
「日本の働くお母さん:とてつもなく大きな責任を抱え、父親からの援助はほとんどない」
日本の父親が家事・子育てをする時間は、どの裕福な先進国よりも少ないのが事実です。
安倍首相がいくら偉そうにダボスで演説し、日本女性の67%が仕事に従事しており、その数字はアメリカより高いんだ!と自慢してみても、その中身は女性に大きな負担を強いるお粗末な状況だとわかります。
「男女平等」「雇用機会均等」「父親も育休を」とスローガンだけは大したものですが、実際に子育てをしながら仕事も続ける母親には残酷な環境が続く日本のようです。
ずいぶん前になりますが、私自身も子育てをしながら一家の主要働き手として毎日時間と戦っていた時を思い出し、余りにも変わらない日本の事情に呆れてしまいました。
そこで、自分の体験と、New York Timesが取材した「外から見た日本のお母さんたち」とを分析することにしました。
1.家庭では未だに厳しい男女を区別したルールがあり、家事は女性がするものだと普通に認識されている。
日本女性の社会進出が進み、職を持つ女性人口は歴史的レベルに達しています。
しかし、家事・育児においての女性の責任が雪崩のように押し寄せる事実は依然として変わりません。
男性の助けは当てにならないのが日本の現状です。
慶応大学の調査によると、週49時間以上働く女性は、家事にも週25時間費やしていることがわかりました。
共働きの夫が家事をする時間は5時間にも満たないという惨状です。
私の場合:
子供を持つ母親が起業しビジネスを始めると、親類から近所から、子供の同級生の母親たちまで、うるさいことうるさいこと。
「子供の面倒も見ないで綺麗な洋服を着て、口紅つけて。 なんだあの母親は」非難がすごかったですね。
非難をものともせず頑張りましたが、睡眠6時間以下の毎日を思い出します。
2.日本の家事には相当の時間を要する
日本家庭の家事はなかなか大変。
料理に掃除に洗濯はどこの国でも同じだが、西洋の家事よりはるかに手間のかかる日本。
何皿もの料理を作り、夫や子供に作る弁当はまさに芸術に値する。
しかし、食洗機は普及しておらず、洗濯乾燥機も未だ一般的ではないし、西洋のようにたくさんの洗濯物をあっという間に乾かすことは出来ない。
従って、水の滴る洗濯物を外に干す作業が家事に加わる。
正に!
カナダに住むようになり、つくづく思うこと。
日常の家事がはるかに簡単です、下記の3つのパワーのおかげで。
「台所に備え付けのでっかい食洗機」「あっという間に洗濯出来、乾いてしまう洗濯機と乾燥機」「家中がいつでも快適温度のセントラルヒーティング」
これは大きいです。
生活のレベルがぐ〜んと上がった気がします。
物づくりの得意な日本になぜこの3つが普及していないのか、全く不思議なところですが、「男」の目線でしか物づくりをしていないのが理由なのかも知れませんね。
3.日本社会も首相も、女性が労働市場に進出することは日本経済発展に必須と思っているのに、何も変わらない環境
急激に老化している日本の人口を抱え、日本企業は厳しい労働不足にあえいでいるにも関わらず、日本政府は外交人労働者の受け入れには反対。
しかも、女性労働人口の約半分はパートタイム。 3分の1は短期雇用。
もちろん、賃金は低い。
役員に登用される女性の率は、世界平均が4.6%という中、日本は1%にも満たないお粗末さ。
カナダも北欧などと比べると「男女雇用均等」では見劣りしますが、移民パワーには目を見張ります。
この移民パワーがカナダの文化が完全に変えていくんだろうなと楽しみですが、日本には大きな転換要因がなく、いつまでも女性への不平等社会が存続していることがとても残念です。
4.日本の父親は忙しくて時間がない
家事・育児を分担すべき父親の存在が非常に薄い日本です。
長い時間働き、住宅ローンも払わなくてはいけません。
午後10時前に帰宅することは珍しく、ほとんどの日はそれよりも遅いです。
「働き過ぎ」文化を是正せねばとの試みも行われている日本ですが、残業は普通のこととの考え方は変わりそうもありません。
父親の家事・育児参加は、物理的時間のなさにより不可能のようです。
カナダではいわゆるワーク・ライフバランスがうまく機能しているようです。
お父さんたちも家族との時間がたっぷりあり、家事に育児に活躍しています。
「仕事に行き、帰ったら寝るだけ生活」の日本が変わるのは一体いつでしょう。
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日本の女性たち、カナダの大学にいらっしゃい!
違う言語で学び、違う文化の中で生活することで、日本をもっと理解出来るようになりますよ。
クリティカル・シンキングがわかるようになると、「なぜ乾燥機が普及しないのか」「なぜ日本の男性は家事をしないおか」などの疑問を論理的に追求し、日本を大きく変える原動力になれると思います。
Good luck!
New York Times の記事からでした。
日本は世界からこう見られています。
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