大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「費用を抑えて高校留学出来る方法を教えて下さい」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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費用を抑えて高校留学出来る方法を教えて下さい

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留学 大学・高校正規留学 2018-08-24 03:52

「高校留学」が現実の姿を見せた時、日本からの留学生の数が激減んすると思います。

それが理由で「夢」「嘘」を描き続けるのが、エージェント・受け入れ側英語圏の学校です。

「現実よ日本に届け」と祈りつつ、カナダから発信を続けています。

 

【質問】

現在私が教えている中学1年生の生徒が高校での留学を希望しています。
ただ、親の経済的な問題で、費用を極力抑えて留学できる方法を探しています。

(通常、1年間の交換留学でも年間150~200万円かかるようです)

希望としては、以下の4つです。

・英語圏(できれば、アメリカ)
・1年以上
・交換留学でもOK
・外国籍でもOKな制度(日本国籍ではないため)


現在、中学一年生なので、準備する時間的には少し余裕があります。
とはいえ、全額免除などの奨学金制度は、人数枠が少ないため、現実的に難しいと感じています。

お金がない、成績も優秀とはいいがたい、という中で、費用を抑える方法というのは、非現実的な話かもしれませんが、生徒の目標を少しでも後押しできればと考えています。

【回答】

 

生徒さんの将来への選択しを少しでも後押ししたいというお気持ちですね。

カナダに高校・大学卒業目指してやってくる優秀な日本の学生を支援し、30年近くになる立場から回答させていただきます。

 

1.まず、第一に知っていただきたいのが「留学には高額な費用がかかる」という現実です。

 

どこの国に行こうが、その子供さんが国籍、あるいは永住権を有する国以外に、自分の意志で留学する場合には「外国人としての授業料」が課せられます。

親が税金を払っていない国で、そこの教育制度の恩恵を受けるわけですから当然のことになります。

 

例えばカナダで言えば、カナダ市民権、永住権保持者は高校の授業料が無料ですが、学生ビザで勉強する留学生の場合は、年間100万〜200万の授業料がかかります。

アメリカの場合は、公立は一般的に留学生の受け入れはしておりませんので、私立高校に通うことになり更に高額な授業料がかかります。

 

2.奨学金に関しては、私費留学生に対するものはほぼ存在しません。

 

日本で提供されているトビタテなどに応募されるのか一番簡単かも知れませんね。

ただ、トビタテの目的は、あくまでも日本の高校生が日本に帰国する目的で留学するという非常に内向きなものですので、長期の留学、あるいは卒業を目指す方には適していないと思います。

 

3.交換留学の現在の状況はあまりお勧め出来るものではありません。

 

制度そのものが破綻しており、それに目をつぶって続けている弊害が大きく出ています。

特に、社会全体が破綻しているアメリカでの実情は厳しいです。

問題の特に多い交換留学の大手AFSについてのコラムも書きましたのでお読み下さい。

経験者からの声を載せております。

  

4.現在のアメリカのトランプ体制下での高校留学はお勧め出来ません。

 

トランプが失脚しても、この後遺症はかなり続くと思われますので、避けられることをお勧め致します。

私の住むカナダでも、高校がアメリカ向けのプログラムを取りやめたり、休暇をアメリカで過ごすのをやめたりする人が非常に多いです。

白人の親でも、未成年の子供を単独でアメリカに送ることは躊躇するのが昨今の様子です。

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以上の理由から、残念ながら生徒さんの希望に沿えるような回答は難しいのが心苦しいですが、高校留学は「単に外国で勉強したい」という理由ですぐに実現、成功するものではないことを理解しておいて下さい。

 

その生徒さんがなぜ高校留学を希望なさるのかがわかりませんが、高額な費用を払ってまで実現させ、しかも実のある留学にするには、下記の条件が必須であることも理解して下さい。

・日本の学校での成績が優秀であること

・英語の基本能力(特に文法・ライティング)が優れていること

・金銭的な問題がないこと

 

特に最後の費用の面は、残酷なようですが見逃せないところです。

また、本人の努力ではどうしようもないところが大きな壁になりますね。

留学は「安売り」をしている地域を探すのではなく、本人に一番適した場所で勉強するものですから。

 

中学生ですから、現実を見据えることも精神的には可能なはずです。

じっくり留学の現実を話してあげて下さい。

大切な人生を無駄にしないように。

 

 

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