田尻 健二(心理カウンセラー)- コラム「利己主義から逃れられないとしても、それを自覚することで謙虚になれます」 - 専門家プロファイル

田尻 健二
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田尻 健二

タジリ ケンジ
( 東京都 / 心理カウンセラー )
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利己主義から逃れられないとしても、それを自覚することで謙虚になれます

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心の病 自己愛 2013-03-29 00:55

これまで何回かに分けて利己主義と利他主義について検討してきた結果、出た結論は「人間は完全に利他的に振る舞うことはできず、何かしら利己的な側面を有しながら行動している」というものでした。

そしてこのことに関して私は自分が利己的に振る舞っていることを可能な限り自覚することが、快適な日常生活を送る上で必要だと考えています。

その理由を自覚できていない場合との対比で説明させていただきます。

 

自分の利己的な側面を自覚しないと尊大になり人間関係を損なう:

まず自分の利己的な側面を自覚できていない場合を考えてみます。この典型例が「お節介」です。

私たちは相手の方が実は嫌がっているにも関わらず、あれこれアドバイスしたり世話を焼いたりしてしまうことがありますが、この場合、相手の方はそれを望んでいないのですから、これは相手の方のために行っている行為ではありません。

では誰のため?もちろん自分のためです。

 

これまで考察して来ましたように、誰かに親切にしたいと思う気持ちの底には、たいてい親切にしてあげたことに対して感謝して欲しいなどの、見返りを期待する気持ちが潜んでいます。

 

それにも関わらず、その自分の気持ちに気づかないと、感謝されなかった場合に腹が立ちます。

なぜなら相手のためを思って必死に親切にしてあげているにも関わらず、相手がその自分の親切心を踏みにじったように感じられるためです。

そしてその怒りから復讐心が芽生えたり、あるいは自分の存在価値が揺らぐほどのショックを受けてしまったりします。

 

このお節介の例のように、自分の利己的な側面を自覚できなと、気づかないその利己的な欲求が満たされないことによる怒りから、人間関係を大きく損なう可能性があります。

 

自分の利己的な側面をしかっり自覚できると謙虚になり人間関係が良好になる:

では次に、自分の利己的な側面を自覚できている場合について検討してみたいと思います。この場合は無自覚なときとはまったく様相が違ってきます。

その違いを分かりやすくするために、先ほどのお節介と同じ場面で考えてみます。

 

同じように相手の方に対して、あれこれアドバイスしたり世話を焼いたりしてしまっているとします。しかし今度はそれが「自分が感謝されたいためでもある」と気づいています。これが自分の利己的な側面を自覚できているということです。

 

この場合は相手のためだけではなく「自分の都合でも」そうしていることが分かっているのですから、たとえ相手の方から感謝されなかったとしても、そのことでガッカリはするかもしれませんが、上述のような猛烈な怒りは生じません。

なぜなら繰り返しになりますが、自分の都合ででもしていることであり、その自分の都合を相手に押しつけている面もあることが分かっているためです。

 

こうして同じように利己的に振る舞っていても、その自覚がある場合は、そうでない場合と比べて遥かに謙虚になれるため、人間関係もより良好になる可能性が高いと思われます。

 

次回は今回「自分の都合」という言葉を多用したことで、何かそれがやましいことに感じられたかもしれませんので、そのことについて触れさせていただく予定です。

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