荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「政府系ファンド、ついに5兆4890億ドル!」
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こんにちは!
9月に入ってもいまだ暑さ全開ですが、このところの「竜巻」の猛威には、驚きを隠せません。竜巻と言えば、アメリカでよく発生するといったイメージでしたが、日本でこれだけの被害を出すとは想定していませんでした。
しかし、先日、ニュースを観ていたら、「猛暑、豪雨、竜巻は、もう異常気象ではなく、いつ起きてもおかしくない現象です」といった解説を聞きました。そう、このような現象は、これからは“想定内”として、備えなければならないということなのだと思います。
資産運用と同じく、「備えあれば・・」ということですね。
さて、このところ、あまり注目を浴びていなかった政府系ファンドですが、この5年で、何と4割も増加しているとの情報を耳にしました。
政府系ファンドと言えば、各国の外貨準備をもとに、積極的に対外投資を行うイメージがあります。
特に中国のCICやシンガポールのテマセクなどが有名な政府系ファンドです。
リーマンショックを迎えるまでは、主に金融株式に投資を行ってきた政府系ファンドですが、このところ、インフラやエネルギー関連株への投資にシフトしてきているようです。
昨年も、中国CICが、英国のヒースロー空港の運営会社の株式を、10%取得したことが話題になりました。
アメリカの研究所の発表によれば、今年6月末時点の世界の政府系ファンドの資産残高は、“5兆4890億ドル(約549兆円)”にまで膨らんでいます。
この数値は、このところ残高を伸ばしているヘッジファンドの運用残高“2兆4100億ドル”と比べても、2倍以上の資産を持ち、その影響力は大きなものとなっていることがわかります。
ちなみに、政府系ファンドの残高の4割以上は、アジア地域となっています。
経済成長の伸びが期待されているアジア地域の外貨準備高は、今後も増大していくことが考えられることから、これからますます“政府系マネー”による世界への影響力が増していくこととなるでしょう。
日本国内においても、以前から、政府系ファンドの設立を望む声は上がっていますが、外貨準備を用いての運用には消極的なのが実情です。
とはいえ、これだけ財政がひっ迫している状況の中、日本も保有している「マネー」を、有効活用することを考え始めてもよい時期かもしれないですね。
では、今週も良き日をお過ごしください!
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