回答:1件

樋渡 順
税理士
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売却益が出る場合、扶養から外れる可能性があります
S_Sさま
はじめまして。
税理士・CFPの樋渡順と申します。
早速ですが、ご回答いたします。
税金上、扶養親族になるためには4つ要件があり、そのすべて満たす必要があります。
S_S様が不動産を売却された場合、それらの要件のうちの1つ、「年間の合計所得金額が38万円以下であること」という要件から外れないか確認する必要が出てまいります。
不動産を売却したときに利益(売却益)が出ると、『譲渡所得』として確定申告する必要が出てまいります。
この譲渡所得が38万円を超えると、扶養親族になるための要件から外れてしまうため、売却された年に関して、税金上の扶養から外れることになります。
譲渡所得はどのように計算するのかというと、通常は売却価格から、買った時の金額と売るために必要になった費用(譲渡費用:たとえば仲介手数料など)の2つを差し引いた金額になります。
ご相談いただいた不動産は相続で取得されたものなのですね。
その場合、買った時の金額をご自分が相続した時点の時価と勘違いされる方が多いのですが、実際にお亡くなりになった方が購入された金額になります。
また、不動産が建物の場合は、時の流れとともに古くなり価値が目減りした分を調整する計算が入るので、かなり古い物件ですと買った時の金額として計算されたものがだいぶ小さくなるケースもあります。
そうなると、譲渡所得が出る可能性が高いですね。
まずは、対象の不動産を購入されたときの書類を探されることをお勧めいたします。
そちらがない場合は、一般的に売却価格の5%を買った時の金額とみなして計算することになってしまうので、譲渡所得がかなり出ることもありますのでご注意ください。
<補足>
扶養の問題は税金だけでなく健康保険にもありますね。
健康保険の扶養になれるかどうかは、S_Sさまのご年齢ですと年間収入が130万円未満であるという要件があります。
こちらは『所得』ではなく『収入』になります。
ただし、この収入とは継続的な収入のことをいい、臨時的な収入は含まれません。
したがって、不動産の譲渡といった臨時的な収入は計算上除かれるので、扶養からはずされることはないと考えます。
以上となります。
少しでもお役に立てれば幸いです。
評価・お礼

S_Sさん
2013/11/16 10:01大変詳しいご説明ありがとうございました。
充分に理解いたしました。
(現在のポイント:2pt)
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