回答:1件
嘘をつく傾向に男女差は存在しません (null effect)
「嘘」 人間にだけ見られる興味ある行動ですね。
一体人間はどのくらいの頻度で「嘘」をつくのでしょうか。
2010年に行われたアメリカの研究結果を紹介します。(Hall et al., 2010)
「嘘」をつく回数に男女差は存在しませんでした。
社会的環境、学歴、年齢などの要因をほぼ同じにコントロールした1000人に行ったリサーチです。
過去24時間の間にいくつ「嘘」をついたかという質問に対しては
1.1.65回 (少ないですね。 本当かなぁ。 これも「嘘」が混じっているかも。)
2.過去24時間に「嘘」をついたと白状した人は1000名の中の40.1%でした。
3.過去24時間の間にいくつ「嘘」をついたかの質問への男女差は
男性: 1.93回 女性: 1.39回
なんと! 男性の方が多いです。
数字だけではそうですが、統計学ではこの差は十分ではありません。
Null effect (差は存在しない)という結果になったそうです。
ところで、「嘘」はすべて悪い「嘘」ではないですよね。
例えば、ガールフレンドが新しいジーンズで現れました。
「このジーンズって太ってみえないかなぁ?」と質問されました。
「そうだね・・。」と答えますか?
補足
今日は、Evolutionary Psychology の見地から非常に興味のある質問に2つ回答しました。
なぜ人間はある「行動」をするのか。
人間の進化、特に Survival of the Fittest(環境に一番順応した遺伝子が生き残り、増えて行く)で人間行動を考えると興味深いです。
「嘘」をつく行動が多いということは、「嘘」は環境に適応する遺伝子から来ている可能性が高いですね。
興味ある方は Harvard University のEvolutionary Psychologist, Steven Pinker の"How the mind works" を読んでみて下さい。
評価・お礼
201204121903さん
2012/04/19 10:24「過去24時間の間にいくつ「嘘」をついたか」
への回答は男性の方が正直に答えたのでは、とも思えます。
女性は嘘を付いているつもりがないく嘘をついているときがあると思います。
ですが、興味深いご回答ありがとうございました。
また質問させていただくかもしれませんので、よろしくおねがいいたします。
大澤 眞知子
2012/04/19 13:11Goof for you.
なかなか鋭い観察ですね。 Critical Thinking の能力があるのかもしれないですよ。 (連載中のコラム:Critical Thinking のsteps読んでみて下さい。)
しかし、残念ながらこの研究は他の可能性(女性が嘘を回答したかというような)を出来るだけ排除出来るようコントロールしてデザインした実験の結果です。 かなり科学的に信用出来ます。
参考までにReference です。 面白いですよ、この研究。
Hall, J.A., Namkee, P., Song, H. & Cody, M. J. (2010).Strategic misrepresentation in online dating: The effects of gender, self-monitoring, and personality traits. Journal of Science and Personal Relationship. vol. 27 no. 1 117-135
回答専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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