対象:インプラント・歯科口腔外科
11歳の子供の前歯が折れました。レントゲンでは歯の根の方に損傷はありませんでしたが、一見してわかるほどのズレがあり、まずは麻酔をかけて前歯2本を元の位置に押し戻し、固定する処置をとりました。先端部の欠けは神経に至っていなかったものの、根の方は打ち付けた際、および、位置を戻す処置をした際に傷める可能性がかなり大きく、神経はまずダメだろうと言われました。
歯の固定はされてきて、ぐらぐらはほとんど収まったようです。2度目のレントゲン所見でも歯そのものは先端部以外の損傷はありませんでした。
今後の神経に付いての処置を伺いたく思います。
骨が固定されるまで様子を見る、という考えもあるようですし、子供のことなので神経が残ること、つながることを祈って様子を見たいのですが、どのくらいの期間、どんな風に様子を見ていくようになるのでしょうか。また、いつ頃、どんな方法で検査されると完全にダメと決定づけられることになるのですか?
まつ子さん ( 千葉県 / 女性 / 37歳 )
回答:2件
外傷性歯牙脱臼後の処置について
こんにちは。つくばオーラルケアクリニックの飯田です。
レントゲンで明らかな根の損傷がなく、「一見してわかるほどのズレ」があるとのことですから、外傷による不完全脱臼=抜けかかった状態と考えられます。
この場合の処置には2つポイントがございます。まずは
1)根っこが周囲の骨と生着すること、
2)神経を取り除き、いわゆる「根の治療」=根管治療が適切に行われることです。
担当の先生からご説明があったように、歯自体の位置が間違いなくズレている場合は、ズレ具合にもよりますが、まず神経はダメであるとお考えください。歯の内部には根の先から神経や血管が入り込んでいるため、この部分がズレてしまうと血管などが切断され、歯髄(歯の神経)は死んでしまいます。歯髄が死んでいても、その後の根管治療がちゃんとなされれば、特に大きな支障はなく使えると思いますのでご安心くださいませ。
今後の治療についてですが、周囲の骨と根っこがくっついて固定されるまでに、通常は6週間程度は必要です。中の神経が死んでいると、早ければぶつけてから4週間程度で歯自体が暗い色に変色して参ります。中の神経が死んでいるかどうかの見極めは、「電気歯髄診」と言って、弱い電流を流してピリピリ感じるかどうかで判断しますが、ぶつけた直後は神経が生きていても反応が鈍くなっておりますので、歯の修復が開始できる、6週間後=固定が済んだ時点で判断するのではないでしょうか?
ご心配お察し申し上げます。お大事になさいませ。
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評価・お礼

まつ子さん
2012/04/04 16:40回答ありがとうございました。なかなかあきらめがつきませんが、時間をかけて納得していくしかなさそうですね。神経がダメな場合、変色が始まるとのことですが、変色が始まっても、最終的には電極の見極めを行うのでしょうか。逆に言うなら、変色していても神経が残っている場合がある可能性があるということなのでしょうか。
あきらめが悪く、どうしても可能性にすがりたい思いです。素早い回答ありがとうございました。
回答専門家

- 飯田 裕
- (茨城県 / 歯科医師/医学博士)
- つくばオーラルケアクリニック 開設管理者/院長
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袋 晃子
歯科医師
-
根自体は完成していますので
こんにちは群馬県前橋市歯科ラブアンドティース院長の袋 晃子です。
お子さんの歯が折れて、ズレができたということで大変でしたね。
歯自体の固定ができているということでまずは一安心だと思います。
通常、神経の再生が2ヶ月程度と言われているので、そのころに神経が
生きているかどうかを測定して根の治療をするかどうかを決定します。
測定方法としては、電気刺激による方法、冷温なもの(歯医者にはパルパーという
すぐに冷温刺激をつくるものがあったりします)などです。
刺激を加えても反応がない場合は、無麻酔(歯髄が死んでいれば削る刺激がいたくなくなります)で
歯を削って神経部分だっとところを露出させて根の治療を行います。
もちろん無麻酔で削って痛みがでれば、その時はその部分までをプラスチックで埋めていく治療で
さらに観察をつづけることになると思います。
歯髄が壊死した状態を続けて、処置しないでおくと歯自体が黒くなってくると共に、
感染したりすると周囲組織がだめになっていくことがあります。
評価・お礼

まつ子さん
2012/04/04 16:34伺いたかったことに対し、ほんとうに素早く分かりやすくお返事くださったことに感謝しています。
それだけで不安が少し軽減されました。ありがとうございました。時間的な要素を盛り込んで回答いただいたのが分かりやすかったです。
(現在のポイント:-pt)
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