対象:インプラント・歯科口腔外科
インプラントのリスクに関して
インプラント治療に伴うリスクには、短期的なものと長期的なものに分けて考えることが重要です。短期的なものは、インプラントが骨と結合する条件を阻害するファクター(因子)を検討するわけです。端的に指摘するなら、感染と手術技術が重要な条件です。よって、十分な技術と経験も有する医院を受診されることが大切になります。感染に関しては、インプラント治療を受ける前に、口腔内から徹底的な病気の除去、つまり、通常は歯周病や虫歯の治療を受けておくことが必須となります。よって、いい歯科医の見分け方にもなりますが、インプラント治療前に十分な病気の診査と治療を行なうオフィスで治療を行なうべきなのです。
次に、長期的なリスクですが、歯周病をお持ちなら、体質的にもやや長期的危険度が高いことが示唆されます。よって、インプラント治療後にメインテナンスに関して十分なフォローの体制を持ったオフィスで治療を受けるべきでしょう。もうひとつ。37歳というご年齢で多くの歯を喪失されたということですが、残存する歯のリスクも評価する必要があります。50歳前に多数の歯を喪失する方は、疫学的にとても大きな歯の喪失リスクをお持ちであることが近年、判明しています。つまり、インプラント治療が成功しても、他の歯がだめになると、追加治療が必要になります。よって、こうした歯を徹底的に管理する体制も必要ですし、追加治療を最低限に抑える治療計画が重要でしょう。
長々と説明してきましたが、インプラント治療はとても複合的で、しかも高額な治療法ですから、術前に患者さんの状態を的確に判断し、治療計画を、多くの要素から配慮して立案し、長期的な判断に基づいたメインテナンスを行なわないと、リスクが少なからず生じてきます。しかし、逆に言えば、これらの条件をクリアできるなら、これほど快適な治療法はありません。
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この回答の相談
歯が弱く虫歯になりやすいので現在自分の歯は10本もありません。インプラントにすると200万円ぐらいするということでした。高額ではありますが、入れ歯だとしゃべりづらいと聞きますのでインプラントにしようと思ってますが、高額な以外で注意したほうがいいことや、リスクはありますか?
1969723さん (大阪府/37歳/男性)
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