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対象:労働問題・仕事の法律

希望退職制度は原則として会社に広い裁量権があります

2009/10/17 00:12

ひろせいさくしさん、こんにちは。
弁護士の水嶋一途です。

さて、結論から申せば、会社が希望退職者を募集した場合、会社の裁量で希望者を選別することは原則として違法ではありません。
それは、会社が希望退職者を募集することは、法律的にいえば「申込の誘因」に過ぎず、これに社員が応じる意思表示をしたとしても、会社と社員との間に、労働契約を終了させるだけの意思の合致があったとはいえないからです。

また、希望退職制度は、通常は社員に有利な条件を設定して退職者を優遇する制度として実施されるものなので、会社に幅広い裁量権を認めることに合理的な理由がありといえます。
さらに、会社が希望者に対して、退職の承諾を与えなかったとしても、その社員は今までどおりの雇用条件で労働契約が継続されることから、法的には社員にとって何らの不利益はありません。

ただし、会社が希望退職者を恣意的に選別しているというような事情がある場合には、その裁量権の行使が違法と判断されます。

したがって、会社が希望退職者を恣意的に選別し、その裁量権の行使が違法といえない限り、会社に対する損害賠償請求は認められません。

ひろせいさくしさんのケースは、「必要な人材だから」という理由での選別なので、基本的には恣意的な選別と評価することは困難だと思います。

少しでもひろせいさくしさんのご参考になれば幸いです。

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この回答の相談

希望退職に応じてもらえない

キャリア・仕事 労働問題・仕事の法律 2009/10/10 09:58

今回会社の経営不振により、会社では希望退職を募集されました。(全社員に説明)
その後、募集に応じる前の個人面談として『君は、必要な人材なので希望退職には応じられない』と言われどうしても辞めた… [続きを読む]

ひろせいさくしさん (愛知県/50歳/男性)

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