対象:住宅設計・構造
野平 史彦
建築家
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気になった2点について
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すでに丁寧な回答が寄せられているので、私はちょっと気になった2点にだけ触れさせて頂こうと思います。
>24時間換気が必須となった今、散布した薬剤を室内に呼び込む可能性が高くなると思います。
とのお話ですが、それは「床下を外」と認識している限りにおいてはそう言えるかもしれません。
しかし、「床下を内」と考えれば、その心配はありません。即ち、断熱したベタ基礎として、「基礎パッキン」ではなく、「気密パッキン」で外気を遮断します。そこに。第三種の排気ダクトを一本,床下に入れ、床下の換気を行ないます。床下用の吸気口を床にガラリを切ってもいいですが、なくても床廻りの隙間から吸気します。即ち、床下は負圧状態になって、室内の空気が流れ込み室内と同じ温度環境になります。これで、土台にどの様な防蟻剤を使っていても、室内に呼び込む、という心配はなくなります。室内と同じ温度を保つので足下の寒さは「床下を外」にしているよりずっと緩和されますし、床下の乾燥状態を保つ事ができます。
掘っ立て柱で本当の高床式住居ならいいのですが、コンクリートで基礎を造るなら、乾期状態の悪い「基礎パッキン」に頼るよりも、もうそろそろ「床下は内」と考え直した方がいい様に思います。
>ホウ酸系の防蟻剤が気になるところですが、、
というのは、カンザイシロアリの跡を追ってアメリカから入って来た防蟻剤「ボロン・デ・ガード」のことではないかと思いますが、ホウ酸についての誤解は大変多い様に思います。
ホウ酸だんごでゴキブリがいちころになる、というのでホウ酸の毒性が凄く強い、と思われるのかも知れませんが、ホウ酸はうがい薬にも目薬にも使われている物質で、その毒性は食塩と同等です。
それは、昆虫や微生物に対して殺菌性があり、かつ、人に安全な量で使用されているものなのです。
補足
どんな物質も「毒性」があり、その摂取量によっては食塩でも人は死ぬのです。しかし、死ぬ程、塩をなめる人はいない訳で、水溶性で揮発性でもないホウ酸の防蟻剤を塗った土台をなめる人がいるのでしょうか?
薬剤の使用については、それが自然系のものであっても、その成分に反応する人もいますから、サンプルで随時確認して使用するのが望ましいと言えますが、「毒」に過剰に反応する必要もない様に思います。
ご参考まで
評価・お礼
白まねきねこ さん
野平様
床下を負圧・・・まったく考えていませんでした。
そうですね、そうすれば、薬剤が室内に入る事の心配は減りますね。
私も、基礎パッキンで床下の換気が十分なのか、疑問なところではあります。ただ、土台下が乾燥するという意味では必要だと思っています。基礎立上りをGL+400以上とれればだいぶ違ってくるとは思うのですが、都心の敷地目いっぱいに立てざるを得なくなる状況では斜線の影響で基礎高さも300mmになってしまいます。雨の時、地面からの跳ね返りで土台が濡れてしまう事もあります。
防蟻の事だけでなく、様々な条件のせめぎ合いで、最善の方法を模索しています。
おっしゃられるように、基礎の外部を閉じてしまえば、問題は解決するのかもしれませんね。
>「ボロン・デ・ガード」
そのとおりです。うがい薬にも目薬にも使われている事は知っておりますが、、ホウ酸団子のイメージが一般の人には強いので、そこを、きちんと説明できるようになりたいと思います。
>ホウ酸の防蟻剤を塗った土台をなめる人がいるのでしょうか?
そのとおりだと思います。しっかりとしたご説明は、とても心強くなりました。
サンプルを取り寄せ、検討してみたいと思います。
貴重なお話、ありがとうございました。
大変参考になりました。
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