対象:住宅設計・構造
シロアリについて
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はじめまして やすらぎ介護福祉設計 斉藤と申します。
防蟻処理は''住宅金融支援機構''と''住宅品質確保促進法''の仕様書に記載されていますが、一定期間蟻害に遭わないことを保証するものではないので、薬剤処理の判断は確かに難しいですね。
ヒノキやヒバの使用をしたくても建物の仕様が集成材プレカットだったという住宅購入者の声もよく聞きます。
シロアリには''「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」''と最近増えてきた''「アメリカカンザイシロアリ」''などの種類がありますが、外張りの基礎断熱から進入したりアメリカカンザイシロアリは湿気を必要としないので発見が難しかったりします。
''防蟻は木材処理ばかりではなく、「数年毎の土壌薬剤処理」を併用することが望ましいと思います。''
私はシックハウス診断士補でもあるので、設計時にはご家族の身体状況やアレルギーの有無などを加味して判断しますが、健康への影響を与えるのは薬剤の蒸気圧です。(値が小さいほど蒸発しにくい)
昔は、有機塩素系の薬剤が使用されましたが80年代に禁止になり、その後主流になった有機リン系の薬剤もクロルピリホスの含有がシックハウス規制にかかり禁止されました。
現在主流なのは、''非有機リン系で蒸発値の低い「ネオニコチノイド系」''です。
これは、シロアリを刺激で寄せ付けない薬剤というよりは、シロアリ自身が薬剤の存在に気付かず接触して死に至る薬剤です。
日本しろあり対策協会が認定している薬剤は昔の薬剤の蒸気圧の数千〜1万分の1程度ですので、健康被害は昔よりは減っているようです。
シックハウス規制法で新建材のホルムアルデヒドなどの使用規制が強化された中、唯一においを感じる材料に防蟻材はなりますので、クライアントに十分な説明と確認が必要かと思われます。
(参考文献 日経ホームビルダー)
評価・お礼
白まねきねこ さん
斎藤様
日本の白アリだけでも手ごわいのに、、さらにどんな環境ももろともしない外来のアリが入ってきてしまった今、「昔は薬剤なんかなく、ヒノキの土台でもっていたのだから、基礎パッキンとヒノキ(またはヒバ)土台で大丈夫」とは簡単に言えない状況になっていますね。
薬剤がかなり改善され、「とりあえず使っていいかな」とは思うのですが、F☆☆☆☆が「少ない」であって「ゼロ」ではない、のと同様に考えます。
木の持つ力に期待はしたいものの、本当にそれだけでいいのか・・・自分の中で確信が持てません。
>ご家族の身体状況やアレルギーの有無などを加味して判断します
そうですね。薬剤の影響は、すべての人に出るかどうかわからない事ですので、状況を十分に検討する事は、大切ですね。
いろいろと参考になりました。
ありがとうございました。
回答専門家
- 齋藤 進一
- ( 埼玉県 / 建築家 )
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
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