対象:リフォーム・増改築
築25年 中古住宅
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yoyuhiri様、はじめまして。
補足の件について、私の所見を述べさせて頂きます。
2X4工法は、欧米、特に北米やカナダにおいては、木造住宅の一般的工法で、日本でも1974年頃から建築されるようになりました。
工法としては、フレーム状に組まれた木材に構造用合板を打ち付けた壁や床(面材)で支えています。
日本は北米やカナダと風土が違います。
「日本とカナダの気温と湿度の違い」についての一般の方のブログを参照して下さい。
http://plaza.rakuten.co.jp/trueromance/diary/200807220000/
日本の風土は高温多湿です。湿気により構造用合板が痛みやすい要因があるわけですが、それを防ぐために、断熱材(推測ですがグラスウール)を充填し、防湿気密フィルムを張り、空気層を設けています。一般的な断熱材ですと、時間の経過と共に変形して、わずかな隙間が生じ、空気の循環が始まり、これが壁内結露を引き起こす原因にもなっているようです。
壁内部で湿気がこもりますと、カビ、腐食等の問題もあり、構造体である構造用合板の接着がはがれやすくなってくるだろうと思います。
リフォーム工事で内部の石膏ボードを捲ってみると、15年ほど前に充填していたグラスウールはカビが生えていて、湿気のせいで、垂れ下がっているのを何度も観ています。
リフォームの件ですが、2X4工法の場合、耐力壁が構造上重要な位置を占めるため、窓や扉等の開口部を拡大したり増設したり、建物を支える間仕切を抜く事も出来ませんので、間取り変更の制限もあります。ですから、リフォームの自由度の高い「木造軸組工法」と比べますと、リフォームの自由度は低いですね。
築25年の2×4の中古住宅の購入を検討されている方に、このようなことを書くのは、どうなのかと思ったのですが、ひとつの参考所見として、受け止めて頂ければ幸いです。
補足
2X4工法は高い耐震性・耐火性・断熱性・気密性・防音性をもっていると謳われていますが、それは新築時の高い耐震性であって、築25年の住宅の耐震性ではないと思います。
また、外部においての構造用合板を覆う防水紙や壁内部の防湿気密フィルムの耐久年数の問題はどうなのか、外装材のサイディングのジョイント部におけるコーキングの修繕周期の打ち直しをしているのか。といった問題があると思います。問題とは、湿気から構造用合板材を保護できるのか、という疑念があります。調湿作用のない工業製品の構造用合板材を湿気から保護できているのであれば、合板材の耐久性はあるだろうと思います。
日本の風土に合った伝統的な木造軸組工法の住宅は、築50、100年、あるいは築:数百年といった建物は存在していますが、2X4工法が普及し始めたのは、1974年頃なので、構造用合板による耐久性を考えてみますと、公団が建てた25年の建物は頑丈なのでしょうか?(一般住宅に比べて)のご質問には、お応えしづらいと思います。
国連の「住宅統計調査」によりますと、住宅の平均寿命は、日本30年、アメリカ96年、イギリス141年だそうですが、住宅の寿命を延ばすことは、環境への負荷を減らすことに繋がります。ですから、築25年の住宅をリフォームして住宅の寿命を伸ばしていくことは、とても良いことだと思っています。
構造方法(枠組みを組む際の木材の間隔、構造用合板の張付方法及び釘等の金物による留付間隔等)を理解した設計者・工事監理者・施工業者による設計・工事が不可欠であるようで、行政機関や民間の確認検査機関等による検査の際に、検査官の理解力が乏しい場合、見落としの可能性もあるので注意が必要なこともあるようです。
評価・お礼
yoyuhiri さん
お礼遅くなりすみません。
回答ありがとうございました。
2×4の構造までは、勉強していませんでした。
先々までの住宅プランを改めて考えてみます。
良いきっかけになりました。
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