対象:住宅設計・構造
鈴木 克彦
建築家
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「経年美」と言う考え方
自然素材だからと言って、設計や間取りが変わってくると言うことはないでしょう。
でも、是非採用前にご理解頂きたいのは、''「自然素材=メンテナンスフリー」''ではないと言うことです。
その意味では、''考え方''に違いがある、と思います。
最近流行の塗り壁にしても、塗り壁=自然素材ではありません。
塗り壁でも、合成樹脂を多く含む物もあり、自然素材100%となると、少数派だと思います。
合成樹脂は弾性を増すために入っている場合が多いので、合成樹脂が入っていれば、ヒビ(いわゆるクラック)がおきにくい代わりに、施工時にはやはり刺激臭がしますし、ライターなどを近づけると、ビニールが焼ける臭いがします。
塗り壁だけでなく、木や石なども、時と共に変化します。
つまり経年変化です。
経年変化を、「汚い」「汚れている」と感じる場合には、自然素材をお勧め出来ません。
作った時が100%キレイで、だんだん汚れてきたらまたピカピカの新しい物に変えたい、
出来ればいつもピカピカでいたい、
手をかけずにピカピカを長持ちさせたい、
それは''新建材''の考え方です。
例えば木の柱一つとっても、日に当たれば茶色くなってくるし、外部に使って雨風に当たれば、灰色に変わります。
反りやヒビも入ります。
自然素材のオイルやワックスなどのメンテナンスも必要です。
これらは、''経年変化''ですが、同時に、時と共に味わいを増す、''経年美''である、
と私は思っています。
傷一つ・汚れ一つも、家族の足跡、
そんな風に感じられる方に、是非自然素材の家の良さを味わって頂きたいですね。
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
家の建て替えにあたり、家族が健康で過ごせる家をと、自然素材を使った家作りを検討しています。自然素材でお願いする場合と、一般的な家づくり、l設計や考え方に違いがあるのでしょうか?
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
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