対象:住宅設計・構造
森岡 篤
建築家
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柔軟な家の吹き抜け
パルティータ建築工房の森岡です。
吹き抜けの意外性や空間的面白さは、他の方の言われるとおりです。
ここでは吹き抜けを、別の観点で考えてみましょう。
日本の住宅の平均寿命は、諸外国と比べとても短いです。
この理由は、耐久性の問題ではありません。
さまざまな事が考えられますが、大きな理由の一つが、住み手の生活の変化に、家が合わなくなる事が挙げられます。
長寿命な家には、使い方の変化を許容する柔軟さ(フレキシビリティ)が求められます。
内部の自由度だけでなく、居住者の人数増減により、増築、減築が求められることもあります。
吹き抜けを持つ家をつくり、将来家族が増え必要になった時には、吹き抜け部分に床を作り、床面積を拡げられるようにすることが考えられます。
逆に、最初は吹き抜け無しの家とし、子供が成人独立して家を出たら、吹き抜けを作り、空間を楽しむ、という方法もあるでしょう。
もちろん、これらは、設計時の機能上、デザイン上、構造上、設備上の配慮が必要です。
耐久性があっても、住み手にガマンを強いるのでは、いずれ建て替えられてしまいます。
住み手の変化に無理なく合わせ、どの場面でも心地よさを感じられる家が長寿命につながると考えています。
(現在のポイント:13pt)
この回答の相談
「吹抜け」がある開放感のある家に住みたいと思っているのですが…。何か建てる際に、気をつけるべきポイントはありますか?
※この質問は、ユーザーの方から事前にいただいたものを、専門家プロファイル が編集して掲載しています。
All About ProFileさん
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