変えても変えなくても良いものは変えないほうがいい。

仕上げは出会いのもの。どうしたらよいか実際に見てみないと解からないので、即解決ということより、考えかたみたいなものを述べさせて頂きますね。そして、これはあくまで私見です。尚下記の文の数字はご質問の番号に対応しているわけではありません。
一、一件しかない家に何かを求めるわけですが、このとき、あれもほしい、これもほしいということで、いろいろな場所で、いろいろやってみると必ず失敗します。あれもほしい、これもほしいけれど、このことだけを大切にしてゆくのだ・・・というふうに一つだけにして他はきっぱりあきらめる作業、これこそが家造りでもっとも大切なことです。わがまま住宅なんてもってのほか。
ニ、かがやけるものすべて黄金にあらず。やたらつやつやしているのはいかがなものでしょう。よごれがつきにくい、そこでクレームがすくない、しかしそこにどのような思い出が込められてゆくのでしょうか？プラスチックのようなという意味は、拒絶を示します。また、きらびやかな故に美しかったものは光沢がなくなるとすぐ汚くなるのではないでしょうか？
もうひとつ。光に映えるのは、光をそのまま反射する素材でしょうか？それとも淡く光を返すものでしょうか？
三、まず、家中同じフローリング、同じ白のシンプルな壁の家、タイルもそっけない白の単色、決してピンクがかったものなど使わない・・・という家を想定します。（そこには、やがていろいろな色のいろいろな物が置かれてゆきますが）このとき、同じでは味気ないつまらない、変化がほしい等の理由により、一般的には室により、仕上げが変わってゆきます。その結果、最初の状態から比較してよくなったかどうか？イメージの上でチェックしてみてください。たいていは逆に個性が無くなってゆくはずです。
四、最後に、家族に喜ばれる家をつくろうと、意見を聞いて中間解を求めるのはやめましょう。まして、他人に賞賛されるようなインテリアなんて求めない、どこかのシーンにあったようなものでもなく、あくまで素のあなた個人が、さらに踏み込んでいえば、すべての記憶を無くしたとしても、あなたが安らげるそんな意匠を求めてみてください。最後に、機能とデザインの両立を求めて、または妥協に身をゆだねてゆきましょう。