抜歯には適応基準がございます。

　こんにちは。つくばオーラルケアクリニックの飯田です。
　イギリスと日本の「抜歯するか？、歯を残すか？」の判断基準の違いについては何とも言えませんが、一般的に歯周病が進行している場合や虫歯で修復不能な場合は抜歯の適応になります。簡単に申し上げれば、抜歯する以外に改善が見込めない状態が適応です。歯周病で周りの骨が溶けてしまい歯がグラグラ揺れるケースや、何度も腫れて膿んでくる場合は、抜歯せざるを得ないのではないでしょうか？

　抜歯後の咬み合わせや食事についてのご心配ですが、歯が無くなりますのでやはり不自由になるかと思います。しかし、1本歯を抜いただけで顔が歪んでしまうことはありません。逆に抜くべき歯を放置した場合は、隣接する歯の周囲まで骨が溶けてしまったり、化膿している範囲が拡大し被害が広がることもありますので、上記のような症状であれば早期に抜歯することをおすすめいたします。

　患者さんの中には私どもが抜歯の必要性について説明すると、もう「噛めなくなった歯でも残してほしい」と希望される方もいらっしゃいます。そのお気持ちは理解できますし、私たちはその気持ちに逆らってまで抜歯を勧めることはありません。しかしながら私たち歯科医師は元々「歯をなるべく残すように」「ご自分の歯で噛める様に」治療や予防活動をしているのです。医学的には上手く噛めなくなった歯を残しておいても、メリットほとんどないばかりか、逆に害になる場合もございますので注意が必要です。

　そのロンドンの担当医から現状について、もう一度よく説明を受けていただくことが重要ですが、信頼できなければ他の医師にセカンドオピニオンをお願いするという選択もございます。お大事になさいませ。

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