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絶対零度の孤独

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 シャンソンの一節

 私は一人ぼっちなんかじゃない。常に孤独を友とする。

 

 結婚をめぐるAとBの会話

 A Bよ。まだ独身?

 B ああ。結婚しちゃったら、孤独という友達までいなくなっちまうからな。

 A ……。大丈夫。結婚すると、その友達とは、もっと深く、もっと仲良くなれるよ。

 

 絶対零度の孤独

 学者のなかには、この世界と少しずつ違った世界が、無数に存在する、と主張する人々がいます。その内容は必ずしも同じわけではないのですが、多次元世界論とか、パラレルワールドとか言われます。

 例えば、大人になって、ある日、子供のころ憧れていた異性を見かけたとき、思い切って話しかけた場合と、話かけられなかった場合とでその後の展開がまったく違ったとすると、そのいずれの場合も、実在し、ただ自分は自分の決断した世界にいるだけだ、というのです。その他にも、道端で石ころを蹴った自分のいる世界と、蹴らなかった自分のいる世界と。にわかには信じがたい説です。

 仮にそうだとすると、自分と少しずつちがう人間が、無数に存在することになります。ただ、その少し違う自分とは、会うことも話すこともできませんが。

 およそ孤独とは、自分だけが他の人とは違うという感覚です。仲間だと思う気持ちがあって、しかし、仲間ではないと分かって感じる感情です。ところが、自分とほんの少しだけ違う自分、すなわちほとんど同一の自分が多数いて、仲間(?)のはずなのに、しかしその「自分たち」とは、会うことも、話すこともできない、というのは、究極の孤独なのではないでしょうか。想像するだに、寒さにキンキンと身も凍るような孤独です。

 このような思考実験をしてみると、自分と姿形の似た子供たちとか、好きという同じ感情を抱いた配偶者とかに対して、改めて共感を覚え、愛することができそうです。会社の同僚とか、同じ学校をでた同窓とか、出身地が同じとか、思想・趣味が同じとか、同じ国民とかも同様です。同じ人間、同じ生き物、同じ星屑と共感の輪は広がっていきます。

 孤独は、共感、愛情を生み出す原動力たり得ます。

 私は、アラン・シリトーの長距離走者とは仲良くなれそうもない。

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