堺市の太陽電池工場売却へ=首都圏の拠点も―シャープ - 企業ブランド戦略 - 専門家プロファイル

中村 光亮
株式会社GMC 代表取締役
東京都
ブランドコンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:ブランド戦略・ネーミング

澤田 且成
澤田 且成
(ブランドコンサルタント)
吉原 賢
吉原 賢
(クリエイティブディレクター)

閲覧数順 2016年12月04日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

堺市の太陽電池工場売却へ=首都圏の拠点も―シャープ

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. ブランド戦略・ネーミング
  3. 企業ブランド戦略

「16日付読売新聞朝刊は、シャープが大阪堺市にある太陽電池工場の売却について海外メーカーと交渉に入ったことが明らかになったと報じた。経営の先行き懸念から同社株が安値を更新する中、資産売却や赤字事業の切り離しで財務状況の改善を図りたい考えだ。売却を検討しているのは、メガソーラー(大規模太陽光発電所)向けの薄膜太陽電池を生産する工場。年間16万キロワットの生産能力がある主力工場だが、太陽電池の価格下落で採算が悪化している。同社の太陽電池事業は2012年4~6月期に69億円の営業赤字を計上した。
一方、首都圏で売却手続きを進めているのは、主に営業拠点として使われている市ケ谷ビルのほか、東京支社がある幕張ビル(千葉市)など。 首都圏の営業拠点である市ヶ谷ビル(東京都新宿区)や幕張ビル(千葉市)などについても売却手続きに着手したと伝えている。」



長年、リフォーム業界にいた私が太陽光発電業界に興味を抱き、参入したのが今からちょうど7年ほど前の事でした。
シャープ太陽光発電システム特約店の新会社設立の為に、新規事業部長としてシャープはもちろん、他メーカーの営業研修やID獲得の為の施工研修等、経営幹部と共に受講しておりました。

2005年の太陽光発電システムの国内シェアランキングは、1位シャープ、2位京セラ、3位三洋、4位三菱となっており、国内外で技術力、商品力等の実績信用のあるシャープ製の太陽光発電システムの商材を取扱出来た事は、エンドユーザーへの訴求力においてひじょうに優位に立つ事が出来、集客以外で営業販売上の苦労をした事はありませんでした。マーケティングや販売促進等の特約店指導ノウハウは他メーカーよりも頭一つ抜きん出ておりました。

2005年当時のシャープは、町田勝彦社長、片山幹雄専務(現取締役会長)の元、
「太陽電池の年間生産能力を世界最大の500MWに拡大」
「亀山工場製“亀山ブランド”液晶テレビ「AQUOS」累計生産100万台を突破」
という様に2007年の片山社長体制に代わるまでの間にかけて正に絶頂期にあったように思います。

当時の町田社長の「太陽光発電システムを全世帯に普及させ、コストを現在(当時)の10分の1で提供出来るようにしたい。」という言葉にいたく感銘を受けた事を記憶しております。


その後、太陽光発電事業におけるシャープの選択した戦略は、以下の通りです。
シャープが太陽電池コスト半減、堺市の新工場でもくろむ“秘策” - ITpro(2008年3月25日)http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080319/296630/

シャープ、堺工場で新型単結晶太陽電池の量産を開始 - 家電Watch(2010年12月1日)
http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20101201_410916.html



シャープ創業者である早川徳次氏の言葉に「まねされる商品をつくれ」という言葉があります。

ひとつの製品を開発して、商品として売り出すまでにはいろいろと苦労がある。ところが、それがいいとなると他社もまた同じようなものを売り出す。日本人はまねがうまいと言われ、商業道徳上からこれを非難する人もいる。しかし、私は会社の研究部あたりには「他社がまねするような商品をつくれ」と言うのである。他がまねてくれる商品は需要家が望む良い商品、つまり売れる商品なのである。だから、いつも他がまねてくれるような商品を出すよう心がけていれば、企業は安定して成長していく。まねが競争を生み、技術を上げ、社会の発展になっていく。ただ、先発メーカーは常にあとから追いかけられているわけだから、すぐ次を考えなければならないし、勉強を怠ってはならない。また、一つが良いからといって現状に満足してはならない。元祖だからといってじっと構えておれない。さらにより優れたものを研究することになるわけで、まねされることも、結局は自分のところの発展に役立つと考える。
(シャープ社史より引用 早川徳次著『私の考え方』より)


技術や人財の流出により、世界や業界全体でシェアする事により、更なるレベルアップそして共有する事による活性化というメリットもありますが、本家本元の屋台骨が揺らいでしまっては本末転倒です。
時代の変化や世界を見据え、創業者の精神や技術を継承しつつ、株主やステークホルダーに配慮しながら利益を確保しながら決断実行するという、経営の舵取りの難しさを改めて痛感する所ではあります。

私の個人的な意見ですが、出来れば太陽光発電事業に関しては海外メーカーに売却せず、国内メーカーと提携して日本の誇る技術と人財を守って欲しいと思います。

このコラムに類似したコラム

2-2 日本市場は縮小し、機能や性能だけでは生き残れない 吉原 賢 - クリエイティブディレクター(2014/10/13 18:22)

簡単なブランディンについて 吉原 賢 - クリエイティブディレクター(2014/09/01 15:21)

これから始めるブランドマーケティング!!! 南 卓志 - ブランドコンサルタント(2014/01/17 09:00)

中小企業の『ブランディングへの6つのヒント』その6!!! 南 卓志 - ブランドコンサルタント(2013/10/31 09:00)

太陽光発電ビジネスを取り巻く時流の変化を読む 中村 光亮 - ブランドコンサルタント(2012/07/10 11:48)