中小企業再生支援協議会の支援で作成された、経営再建計画・・・ - 財務・資金調達全般 - 専門家プロファイル

近江 清秀
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中小企業再生支援協議会の支援で作成された、経営再建計画・・・

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【銀行交渉のポイント編-24  中小企業再生支援協議会の支援のもと作成された、経営再建計画に基づく貸出金の評価は?】

 信用金庫や地銀は、中小企業へ融資するかどうかの判断を行うに
当たって金融庁の検査マニュアルに従って判断を行います。

その検査マニュアルには、具体的な事例とともに銀行
(信用金庫・地銀)が融資するかどうかを判断したポイントと、
その判断基準の適否について解説が記載されています。
この【銀行交渉のポイント編では】27パターンの事例を紹介します。

 中小企業の経営者の皆様におかれましては、
御社の決算内容、銀行との交渉と比べながら読んでいただくと
わかりやすいと思います。

 以下の事例集は、すべて銀行(信用金庫・地銀)の立場から
書かれた内容なのでこの文中で債務者と表現されているのは、
一般の中小企業のことです。

【事例-24  中小企業再生支援協議会の支援のもと作成された、経営再建計画に基づく貸出金の評価は?】

<概況>
 債務者は、当行メイン先(シェア65%、与信額:平成15年3月
決算期500百万円)。ホテル業を営んでいる。
 
<業況>
 債務者は、地元では数少ない多彩な装置を有する結婚式場を併営する
ホテルとして、営業を行ってきたが、価格設定が高いこともあって、
長引く景気の低迷や近郊への競合店の進出等により、売り上げ、
利益とも伸び悩み、経営状況は大幅に悪化し、有利子負債も重く、
財務状況が実質債務超過(350百万円)である。

 債務者は、中小企業再生支援協議会の支援のもと、ホテル業界に精通
した中小企業診断士や公認会計士などの外部専門家も活用の上、
計画実施に必要な全ての関係者の同意を得て、価格設定の全面見直し、
外部委託費や人件費等の経費削減等による事業面、及び、地域の
再生ファンドを活用した債務(260百万円)の株式化による債務圧縮
や新たな資本の注入(50百万円)、既存借入金のリスケジュールなど
財務面での改善による再建計画を策定し、これらの計画の実施により、
5年程度で正常先となる見込みである。
 
<自己査定>
 当行としては、元金返済期間を延長しているものの、中小企業再生
支援協議会の支援のもと作成された、実現性の高い抜本的な経営再建が
開始されていると判断しており、当該経営再建計画に基づく貸出金は
貸出条件緩和債権には該当せず、債務者区分については、
その他要注意先としている。

<検証ポイント>
  経営再建計画に沿った経営再建が見込まれる場合の貸出条件緩和債権
の取扱いについて
 
<解説>
1.貸出条件緩和債権については、銀行法施行規則において規定され、
その具体的な事例は、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針に
おいて規定されている。

 また、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針では、過去に
債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として貸出条件の緩和を
実施した貸出金であっても、金融経済情勢等の変化により新規貸出
実行金利が低下した結果、又は当該債務者の経営状況が改善し信用
リスクが減少した結果、当該貸出金に対して基準金利が適用される
場合と実質的に同等の利回りが確保されていると見込まれる場合、
又は当該債務者の債務者区分が正常先となった場合には、貸出条件
緩和債権には該当しないこととされている。

 特に実現性の高い抜本的な経営再建計画に沿った金融支援の実施
により経営再建が開始されている場合には、当該経営再建計画に
基づく貸出金は貸出条件緩和債権には該当しないものとされており、
債務者が中小企業である場合の取扱いは、金融検査マニュアル別冊
を参照することとされている。
 
2.本事例については、
(1)中小企業再生支援協議会の支援のもと、売上高、費用及び利益
等の予想等の想定が十分厳しいものとなっていること

(2)当該経営再建計画の実施により概ね5年後には、当該債務者の
債務者区分が正常先となることが見込まれること 等、

中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針の要件を満たしていると
考えられることから、貸出条件緩和債権には該当しないものと考えられる。
 
3.今後、経営改善計画の進捗状況が計画を大幅に下回った場合には、
合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画の要件を満たすように計画
の見直しを行わない限り、再び貸出条件緩和債権となることも考えら
れるので、経営改善計画の進捗状況についても、引き続き、検証する
必要がある。
 
 なお、中小企業再生支援協議会の策定支援した計画の実施状況に
ついては、一定期間経過後に専門家によるモニタリングを行うこと
になっており、計画の実施をより確実なものにするため、その後の
モニタリング状況の調査結果の検証も重要である。
 

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 今回のポイントは、中小企業再生支援協議会の支援のもと、売上高、
費用及び利益等の予想等の想定が十分厳しい経営再建計画が建てられて
いる場合の貸出金の評価です。 中小企業再生支援協議会は、第三者の
立場から会社の経営計画を評価するため、会社独自で作成した経営計画
よりは高い評価が得られるようです

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