チョコレートのテンパリングは怖くない 2月の製菓基礎講座にて - 洋菓子・和菓子 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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チョコレートのテンパリングは怖くない 2月の製菓基礎講座にて

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フランス菓子

2月18日20日 2月の製菓基礎講座にて 

フォレ・ノワール gateau de la Foret-Noire
黒い森という意味のお菓子です。

ドイツではシュヴァルツヴェルダーキルシュトルテという長い名前でよく知られるもの。フランスに渡り、アルザスでポピュラーとなりました。
フランスのフォレ・ノワールは、「ココアのスポンジ」、「キルシュ漬けのさくらんぼ」、「生クリーム」そして「チョコレートのコポー(削りくず)」が構成要素です。
いまではすっかり「昔ながらの」お菓子になりましたが、今でも姿形を少しかえながらも、繰り返し繰り返しそのモチーフは登場します。

今日は基礎講座なので、昔ながらのスタイルで作ります。
素朴ながらも、静かにおいしいお菓子です。かわいらしい見かけにも関わらず、キルシュがきいたグリオットチェリーが、口に入れた瞬間「ぱーん!」とはじける感じ。けして子供向けではありません。
(そもそもフランスは、お菓子では子供のことなど考えてないかも)

ジェノワーズを焼き、生クリームでマスケします。このお菓子はフランスで唯一といっても差し支えない、「生クリームですっぽり覆うケーキ」なのです。
日本なら、お誕生日のいちごのデコレーションケーキは、お菓子屋さんにとってほぼ必須とも言えるアイテムなのに。
というわけで、技術も理論も道具も、日本のほうがよりいっそう細やかに発展してきたと思います。
詳しくは、前回の講座の模様(ブログ)をどうぞ。


今回はチョコレートのお話しを。

今月の授業の、もう一つの主題はチョコレートのテンパリングです。
溶かしたチョコレートの温度を上げ下げして、安定した結晶の型に固め直す作業です。
きちんとテンパリングしたチョコレートは、つやがよいだけでなく(チョコはつや命!)、口溶けがよいものです。そしてよいテンパリングを施すと、恐ろしく早くチョコは固まるので、逆に次の作業が追いつかなかったりもします。そしてきゅっと収縮します。

今回はコポー(削りくず)が必要なお菓子なのですが、せっかくですから、くるんと丸めたシガレットも作ります。
大理石にチョコを薄くのばし、三角ベラでくるんと丸めます。はじめて丸められた日の感動を思い出しながら、みなさんを励ましつつ、授業を進めます。
テンパリングは押さえるところさえ押さえれば、必ずうまくいきます。シード法になってから、ものすごく楽になりました。
チョコに苦手意識を持つ人は多いのですが、
「絶対に大丈夫。私が保証します!」
と言い切っています。
万が一にもうまくいかなかったら、それは「温度計が狂っていた」からと思うべし! くらいの勢いです。でも今までこんなことはありません。
(実際に温度計を道具屋筋に買いにいくと、3本並べて全部違う温度をさしていた・・・ということも。そんなものなのです。それでもできます)

生クリームのマスケにテンパリングと、ちょっと大変ではあるのですが、達成感を感じてもらえる授業であったなら、と思っています。

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